三重県警が被害者から提供を受けた「サントリーウイスキー響30年」の偽物。2018年。フリマサイトやアプリを使った偽造品売買は今もおさまっていない(時事通信フォト)

三重県警が被害者から提供を受けた「サントリーウイスキー響30年」の偽物。2018年。フリマサイトやアプリを使った偽造品売買は今もおさまっていない(時事通信フォト)

 最近では、あからさまな偽物ではないものの、高級ブランドの紙製のショップバッグをビニールなどで覆いハンドバッグ状にしたものや、同じくブランドのロゴが入った紐をスマホ用のストラップにした「手作り品」の出品も相次ぎ、人気を博しているという。これであれば「偽物ではない」として、実に堂々と販売を行うユーザーが散見されるが、こちらも商標法違反の可能性が非常に高い。そもそも、利用するほうが恥ずかしいシロモノなのに、売る側も買う側も、感覚が完全にずれてしまっていると言う他ないだろう。

 他者の権利を踏みにじり利益を掠め取るだけでなく、正常な消費者をも困惑させ、不幸におとしめる行為は、やはり許されるものではない。そういった偽造品を扱う不届き者の存在は、すでにフリマサイトやネットオークションサイトの運営側も把握しているが、手段が年々巧妙化していることに加え、新たに参入する人が多すぎて全く対応が追いつかない状況だ。

 悪質な偽造品の存在をゆるすと、本来の品質保証された商品の存続が難しくなり、市場には悪質なニセモノがあふれ、消費者には不利益ばかりが残る。「みんなやっているから」と偽造品ビジネスに手を染める普通の人たちは、自分の首も絞めていることに早く気づいてほしい。

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