国内

《元刑事が証言》「桐島聡」を名乗った男により改めて甦る50年前の記憶 三菱重工ビル爆破で「空からガラスが降ってきた」血だらけの犠牲者も

誰もが見たことがある桐島聡容疑者の指名手配写真(AFP=時事)

誰もが見たことがある桐島聡容疑者の指名手配写真(AFP=時事)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、警察OBが語る50年前の忘れられない光景、三菱重工ビル爆破事件直後の現場について。

 * * *
「最期は本名で迎えたい」、50年近く逃亡生活を続けた容疑者はそうして入院先の病院で名乗り出たという。1970年代に連続企業爆破事件を起こし、世間を震撼させた過激派組織「東アジア反日武装戦線」のメンバー、桐島聡容疑者(70才)とみられる男だ。名乗り出たときの容疑者は末期がんに冒されており、その後、病院で死亡が確認された。公安関係者らは海外に逃亡しているものとみていたようだが、数十年にわたり、偽名を使い、神奈川県藤沢市内の工務店に住込みで働いていたという。

「この顔を見る度にどこにいるのか、何をしているのかと思い出した」というのは、桐島容疑者が卒業した学校の後輩だ。この顔とは、指名手配犯にある桐島容疑者の写真の顔である。「面識はないが、あの事件の印象は強烈だった。その事件を起こした犯人が同窓生の中にいる。そう考えると、この顔は忘れられなかった」という。

 東アジア反日武装戦線は「狼」「大地の牙」「さそり」の3つのグループからなり、それぞれが別々に行動、1974年から1975年に海外に進出しようとする日本企業を狙い、12件の連続企業爆破事件を起こしている。桐島容疑者はそのうちの「さそり」に属し、東京・銀座にあった「韓国産業経済研究所」のビルに爆弾を仕掛けて爆発させたといわれる。そのため彼の罪状は爆発物取締罰則違反容疑だ。だがこの組織の連続企業爆破といえば、真っ先に三菱重工の爆破事件を思い出すのではないだろうか。事件を起こしたのは「狼」だが、桐島容疑者逮捕のニュースではこの時の映像が何度も流された。

「生きた心地がしなかった」。爆発現場となった三菱重工ビルに駆け付けた元刑事S氏は当時を振り返った。1974年(昭和49年)8月30日午後0時45分、東京・丸の内のオフィス街からすさまじい爆音が鳴り響いた。その音は、晴海の展示会場にまで響いてきたという。

そこにいた誰もが生きた心地がしなかった

 その時、晴海で行われていた某国主催の展示場の警備にあたっていたというS氏は、何事が起きたかとその方向を振り向いた。爆発と同時に白煙が立ち上っていくのが見えたという。「東京駅の方向で爆発があったことはわかったが、まさかビルが爆破されたとは思わなかった」とS氏はいう。

関連記事

トピックス

NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
被害者の村上隆一さんの自宅。死因は失血死だった
《売春させ、売り上げが落ちると制裁》宮城・柴田町男性殺害 被害者の長男の妻を頂点とした“売春・美人局グループ”の壮絶手口
NEWSポストセブン
元夫の親友と授かり再婚をした古閑美保(時事通信フォト)
女子ゴルフ・古閑美保が“元夫の親友”と授かり再婚 過去の路上ハグで“略奪愛”疑惑浮上するもきっぱり否定、けじめをつけた上で交際に発展
女性セブン
突然の「非常戒厳」は、国際社会にも衝撃を与えた
韓国・尹錫悦大統領の戒厳令は妻を守るためだったのか「占い師の囁きで大統領府移転を指示」「株価操作」「高級バッグ授受」…噴出する数々の疑惑
女性セブン
12月9日に亡くなった小倉智昭さん
小倉智昭さん、新たながんが見つかる度に口にしていた“初期対応”への後悔 「どうして膀胱を全部取るという選択をしなかったのか…」
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン