国内

【千葉県沖で地震頻発】専門家が“周期”を指摘「1912年、1950年、1987年にM6以上の地震が37~38年周期で繰り返している」

能登半島地震で倒壊したビル(2024年/石川県輪島市。時事通信フォト)

能登半島地震で倒壊したビル(2024年/石川県輪島市。時事通信フォト)

 今後30年の間に70%の確率で発生するといわれる首都直下地震。千葉県沖で頻発する地震の影響でそのXデーに注目が集まっている。そんななか、政府が触れないデータが明らかになった。

 わずか9日間で36回──これは、2月26日以降に発生した千葉県沖を震源とする地震の回数だ。そのうち3回は震度4の大きな揺れを観測した。

 能登半島を襲った元日の大地震の記憶も生々しい中、今度は房総半島に巨大地震のリスクが迫っている。

「同じエリアで地震が頻発しているのは、陸側のプレート(厚い岩盤)がゆっくりとずれ動く『スロースリップ』と呼ばれる現象が起きているためと考えられます。この現象は千葉県東方沖の周辺で一定の周期で発生しており、過去のケースでは数か月地震が続きました。最大震度5を観測したこともあります」(東京大学地震研究所教授・小原一成さん)

 スロースリップは東日本大震災(2011年)の前にも観測されており、巨大地震発生のシグナルと考えられる。同現象で繰り返し発生する「群発地震」を危険視する専門家も少なくない。立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学さんもそのひとりだ。

「能登半島地震や熊本地震(2016年)でも、大地震発生の少し前から周辺の地域で群発地震が起きていました。さらに、大正時代の関東大震災(1923年)の発生前にも、房総半島周辺や神奈川県西部で地震が相次いで発生していたという記録が残っています。千葉県沖の群発地震は、大地震発生の危険性が高まっていることを意味しています。数週間から数か月以内に、関東地方で大きな地震が発生する可能性があります」

 恐怖を助長する、不気味なデータもある。

 東海大学と静岡県立大学で客員教授を務め、日本地震予知学会の会長でもある長尾年恭さんが解説する。

「千葉県の房総半島沖では1912年、1950年、1987年にマグニチュード(以下、M)6以上の大地震が37〜38年周期で繰り返しています。偶然との見方もありますが、今年は前回の地震から37年目に当たるのです」

 房総半島沖でM6以上の地震が発生した場合、房総半島の震源近くは震度6弱から6強、東京23区も場合によっては震度5強ほどの強い揺れに襲われるという。過去3回の地震は、M6.2(1912年)、M6.3(1950年)、M6.7(1987年)と徐々に地震規模が大きくなっているため、次の地震がM7クラスになるのではとの見方もある。長尾さんが続ける。

「万が一、房総半島沖でM7クラスの地震が発生すれば、首都直下地震が誘発されることも考えられます。政府の地震調査委員会は千葉県沖の群発地震に関して、“5〜6年周期のスロースリップ現象”についての見解は発表していますが、“37〜38年周期”の地震には言及していません。不安をあおり混乱を招きたくないという考えがあるのかもしれません」

 つまり今年か来年に、首都直下地震が発生する可能性があるのだ。

「首都直下地震」とは、東京都や近隣県の内陸を震源とするM7クラスの地震を指す。政府は「30年以内に70%」の確率で発生するとしている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

所属事務所は不倫を否定(時事通信フォト)
《星野源と新垣結衣が完全否定》「ネカフェ生活」NHK・林田理沙アナとの疑惑拡散の背景「事務所が異例の高速対応」をした理由
NEWSポストセブン
幼稚園をご訪問され、子供たちに声を掛けられた天皇陛下
天皇皇后両陛下が幼稚園をご訪問 工作の様子を見守られ「どんなものができるのかな」と笑顔で声をかけられる場面も
女性セブン
杉咲花と若葉竜也に熱愛が発覚
【初ロマンススクープ】杉咲花が若葉竜也と交際!自宅でお泊り 『アンメット』での共演を機に距離縮まる
女性セブン
5月に入り病状が急変し、帰らぬ人となった中尾彬さん
【中尾彬さん逝去】数か月体調優れず、5月に入って容体が急変 葬儀は近親者のみ、妻・池波志乃さんは憔悴しながらも参列者に感謝
女性セブン
スキャンダル写真で芸能界を震撼させた『BUBKA』
《90年代アイドルを震撼させた月刊誌『BUBKA(ブブカ)』》の創刊編集長が急死していた スキャンダル写真で物議「スクープ100万円」「複数訴訟」の全盛期
NEWSポストセブン
新しいヘアースタイルの大谷翔平
《大谷翔平の新ヘアスタイル》“切ってもらうと成績が向上する”と評判の美容師が担当 ソウルで水原被告と一緒にカット、料金は大谷が支払う
女性セブン
全国赤十字大会ではスピーチに目を潤ませる場面もあった(4月、東京・千代田区。写真/JMPA)
『虎に翼』を楽しんでいらっしゃる雅子さまと愛子さま 女性天皇への期待高まるなか、揺れるお立場に「日本初の女性弁護士の物語」を重ねられて
女性セブン
女子ゴルフ界の新星として注目を集める清本美波
【プロテストでトップ合格】女子ゴルフ界の新星・清本美波、女子大生と二足のわらじを履く18歳「目標はタイガー・ウッズ」
週刊ポスト
フリーになるも苦戦が続く上重聡アナ
《超大型連休続く?》元日テレ・上重聡アナ、「交渉しまして」古巣復帰の苦境 根強い“利益供与問題”のイメージ、自虐ネタに活路か
NEWSポストセブン
詐取の疑いで逮捕された元宝塚“大滝子”こと光原エミカ(HPより)
《『水ダウ』ざます企画に出演》元宝塚・月組トップスターが現金1000万円詐取の疑いで逮捕「ディナーショーが8万円に値上がり」ファンが察知した違和感
NEWSポストセブン
亡くなったシャニさん
《7か月を経て…》ハマスに半裸で連行された22歳女性が無言の帰宅、公表された最期の姿「遺体の状態は良好」「肌もタトゥーもきれいに見える」
NEWSポストセブン
中尾彬さん(時事通信フォト)
《“ねじねじ”で愛された中尾彬さん(81)が急逝》大病を機に始めていた“終活”、コワモテ俳優からコメンテーターとして人気を博した晩年
NEWSポストセブン