青山京子はスキー雑誌の「ミス・スキーガール」でモデルデビュー。1980年3月に出演した『今週のギャル』コーナーで強烈なインパクトを残し、2か月後にカバーガールに採用された
お色気、娯楽から社会問題まで、何でもありの情報番組だった
深夜番組の原型ともいえる『11PM』は「女相撲」などのお色気ネタの名物コーナーで人気を博した。一方で硬派な社会問題に取り組んだ月曜イレブンでは、公害問題や沖縄返還などに鋭くメスを入れ、1971年にギャラクシー賞を受賞するなど高く評価されている。
麻雀や競馬といった娯楽を正面から取り上げたのも当時としては画期的で、UFOや超能力ブームに火をつけるなど、大衆の求める文化をキャッチして時代をリードする情報番組の役割も担った。
松岡きっこ「今じゃこんな番組、できっこないですよね」
月曜レギュラーだった松岡きっこは、『11PM』についてこう振り返る。
「私が出演した月曜レギュラーは、大橋巨泉さんがどんな話題にも関心を示す人だったこともあり、社会問題からエロまで振り幅が広いのが特徴でした。
新右翼の論客・野村秋介さんがゲストの時はスタジオ中にピリピリとした緊張感が充満していました。かと思えば、放送禁止用語を連呼する会社社長にハラハラさせられたり、オランダの飾り窓の取材では地元を仕切るギャングの親玉に気に入られたことも。楽しかった思い出ばかりです。今じゃこんな番組、できっこないですよね(笑)。
1974年に来日したユリ・ゲラーは松岡の身につけていた十字架のペンダントを超能力で曲げて驚かせた。
「プレゼントしてくれた主人(俳優・谷隼人)は激怒していましたけど(笑)」(松岡)
【プロフィール】
小栗香織(おぐり・かおり)/神奈川県出身。豊島園イメージガールでデビュー。現在は出版プロデュース業も手掛ける。4月3日発売『奥菜恵写真集 Okina Megumi』(宝島社)ではエグゼクティブ・プロデューサーを務めた。『小栗香織35th Anniversary写真集チャーミング 1988-2004』(小学館)発売中。
松岡きっこ(まつおか・きっこ)/1947年生まれ、東京都出身。子役を経て、ドラマ『ザ・ガードマン』『アイフル大作戦』で人気女優に。『11PM』『連想ゲーム』などの出演を機に、バラエティ番組でも活躍の場を広げた。
取材・文/小野雅彦
※週刊ポスト2024年4月5日号