帰国時、大谷翔平とともにジムを出る水原氏(2022年)
歴史を塗り替えた「アジア人」
また、大谷がアジア人であることも「無関係ではない」という声がある。
「いくらユニコーンともてはやされていても、ベースボール発祥の地であるアメリカでは、大谷選手は所詮“外国人”なのです。特にアジア人への偏見や差別は根深いものがある。次々と記録を更新する彼の活躍をおもしろく思わない人たちは少なくない。実際、ドジャース以外の球団のファンたちからは、一連の問題で大谷選手の責任を追及したり、『処罰せよ』と論じる声がすぐに上がり、大谷選手の会見後も止まりません。
米球界には、これまでの記録を塗り替え、慣習にも風穴をあける大谷選手へのやっかみがあるはずです。いまは球団もMLBも大谷選手を守る姿勢を見せていますが、万が一、水原氏が野球も賭けの対象にしているようなことがあれば、“見せしめ”的に大谷選手への処分を実施する可能性もあるでしょう」(別の在米ジャーナリスト)
アメリカ社会に漂う大谷への厳しい空気の中で、大谷の助っ人となるのが「最強の弁護団」だ。大谷の弁護士として声明を出した弁護士事務所には、俳優のレオナルド・ディカプリオやジョニー・デップの裁判を担当したセレブ御用達の弁護士が所属する。
「注目すべきは、大谷選手の弁護士が『大谷は大規模な窃盗事件の被害者である』と主張していることです。会見でも疑惑を断固否定した大谷選手ですが、今後も『大谷は騙されて巨額の金を盗まれた』と主張するのでしょう。現地メディアが声高に叫ぶ“送金に関する不自然さ”についても、大谷選手と水原氏の特殊な関係を丁寧に説明することで、解消していくのではないでしょうか」(前出・別の在米ジャーナリスト)
自身に向けられた疑惑についても、全面的に否定した大谷。これから先、FBIと大谷サイド、水原氏やボウヤー氏らとの四者四様の駆け引きが繰り広げられる可能性もあるが、再び野球に集中する環境は整いつつある。新天地での開幕早々に訪れた試練はとてつもなく大きかったが、ユニコーン・大谷ならばこの試練もきっと乗り越えて、さらに大きく羽ばたくはずだ。
(了。前編から読む)
※女性セブン2024年4月11日号