では、一つずつ整理していきましょう。

 GRITの観点からは、少しずつでいいから今できていることよりも難しいことに挑戦することが大切です。今回のケースでは、G(度胸)、R(復元力)、I(自発性)、T(執念)の4つとも必要そうですね。

 同じ問題やレベルが変わらない問題を繰り返した場合、自己効力感ややる気、モチベーションはいい方向に変化します。

 ただし、これはあくまでも一時的なもの。「一時的であっても、いい効果があるならいいのではないか」と思われるかもしれませんが、そうではありません。長期的に見ると、簡単なことだと認識していることを大々的に褒められたり、繰り返しさせられたりすると、「自分はその程度の価値なのだ」と自己を過小評価するようになる危険が潜んでいるのです。

 逆に小さなステップを積み重ねることで、レベルを上げる際に子どもが「無理」と感じる先入観を抱かずに、「できるかもしれない」「どうやったらできるだろうか」と、前向きに挑むクセをつけられます。

 また、親も小さなステップを上がろうとした過程そのものや努力自体を褒める機会が得られるのです。

 小さなステップを積み重ねた結果、難しくなったことができたかできなかったかは、それほど重要ではありません。「挑戦した」という選択を子どもが自ら選んだこと、それに挑戦したという「事実」がGRITの観点からは重要なのです。

どんなに小さくてもステップアップを実感する

 今回のケースの場合、「少しずつでもステップアップした」と子どもが感じられる程度に、ドリルのレベルを上げていく方がいいでしょう。

 日常生活では、食事の場面でもよく使える手です。トマトやブロッコリー、にんじん、コーンなどで色とりどりに盛り付けたけれど、子どもが野菜嫌いでコーンしか食べない。こんなことってありますよね。

 この場合、親としては食べずに残してしまったトマトやブロッコリー、にんじんにどうしても目がいきがちです。お皿に残っているのですから、存在感は満点です。「あー、また残して!」と言いたくもなります。

 でもここは、まずはコーンが食べられたことを認めてあげましょう。次に、「コーンさんお腹の中で一人じゃ寂しいから、にんじんさんもちょっとだけ一緒に行ってもいい?」といった言葉かけから始めてみるといいでしょう。

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