説明責任を果たしていない「不祥事大物議員」7
地盤固めに躍起の萩生田光一・前政調会長
安倍派5人衆と呼ばれた幹部の中でも「役職停止」という大甘処分だった松野博一・前官房長官と萩生田光一・前政調会長は次の選挙は自民党公認で出馬できる。とくに萩生田氏は裏金問題では政治倫理審査会出席を免れ、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題でも同教団との結びつきを批判された人物だ。
その萩生田氏も地盤固めに躍起のようだ。有力支持者の1人が語る。
「萩生田さんと旧統一教会との繋がりがわかってイメージダウンしていたところに、今回の裏金問題で私を含めた八王子の支持者、地元市議らがごそっと離れています。萩生田さんは業界団体などの組織固めを急いでいるようですが、与野党対決になった今年1月の八王子市長選は自民票が逃げて萩生田さんが推した現職が大苦戦した」
ここでもカギは地元市議だ。地元市議の間で評判が下がれば、“萩生田落選”が現実味を持つ。
自民党が公表した裏金議員は82人だが、処分を免れた議員が46人もいる。その1人が稲田朋美・幹事長代理だ。
安倍派では常任幹事を務め、派閥からのキックバック82万円に加え、派閥パーティー券の売り上げを派閥に納めずに「中抜き」して口座に入れていたカネが114万円あり、裏金は合計196万円だったが、幹事長の注意だけで役職辞任もせず、事実上のお咎めなしだった。
本人は裏金について「管理不行き届きと、政治資金規正法の理解不足を深く反省している」と説明したが、弁護士である稲田氏が国会議員として最も重要視すべき政治資金規正法を理解していなかったとすれば責任重大だろう。
※週刊ポスト2024年5月3・10日号