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美容外科専門病院、看護師が患者に強制性交で逮捕 看護職の多様化への期待に水を差す

(写真/イメージマート)

強制性交等の容疑で看護師の男が逮捕(写真/イメージマート)

 2024年4月17日、神奈川県警察本部は、強制性交等の容疑で、横浜市西区在住の元美容外科専門病院勤務の看護師の男が逮捕されたと発表した。

施術のため来院した女性に性的暴行

 県警によると、同看護師は2023年6月23日金曜日午後3時台に、当時勤務していた横浜市神奈川区の美容外科専門病院で、来院していた飲食店従業員の36歳女性に対して病院内で性的暴行を加えた。

 複数の報道によれば、女性はこの病院に通院しており、看護師と面識があったという。施術中に2人きりになった際に犯行に及んだとされる。なお、同看護師は同意があったと供述していると伝えられている。

 美容医療は利用者の多くは女性であり、特に美容医療は自分自身のコンプレックスをさらけ出す場になりがちだ。そのため利用者は施術中にある面では弱い立場に置かれやすい。そうした状況で、患者の情報を掌握している医療関係者が、職業上の立場を悪用して犯罪行為に及んだ場合、その悪質性は高いといえるだろう。

美容医療に一層批判的な目

 医療関係者による性犯罪は今年に入っても報道されているが、特に美容医療関連の看護師による性犯罪は珍しい。看護師というと従来、女性が多い職場とされたが、最近では男性の看護師も増え、その活躍の場も広がっている。しかし、男性の看護師の犯罪が明るみに出ることで、利用者が看護師の性別にまで注意を払わざるを得ない状況になる可能性もあり、看護職の多様化への期待に水を差す事件となった。

 美容医療分野では最近、トラブルが頻発し、世間の見方も厳しくなっている。政府は被害状況を調査し、広告規制の強化やインフォームド・コンセントの見直しなど、規制強化の取り組みを進めている。美容医療における犯罪が発生すると、業界に対する批判的な目がさらに厳しくなるのは避けられない。美容医療を安全に受けられる環境を整備することが望まれるが、施術を検討する際には、看護師を含む医療関係者による不祥事にも警戒しなければならないのかもしれない。

参考文献

あなたの美容医療、大丈夫?大手弁護士事務所のベリーベスト法律事務所が被害情報収集を開始

美容医療のリスク増大?世界22か国でのトレーニング不足・無資格施術者の問題を米国形成外科学会が調査

美容医療のトラブル急増、過去最多の相談件数に国民生活センターが注意喚起

カンナムオンニCEO医療法違反で有罪判決、なぜか

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【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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