スポーツ

中田翔、中日移籍で取り戻しつつある輝き 「常に紳士たれ」の巨人とは“水と油”だったか、立浪監督胴上げの条件は?

中日に移籍後、金髪にした中田翔(時事通信フォト)

中日に移籍後、金髪にした中田翔(時事通信フォト)

 一度は選手生命が終わりかけた男が、自分に合う環境を見つけ、生き生きとした姿を見せている。今季から中日に移籍した中田翔(34才)が、これまでほぼ全試合で4番に座り、チームを牽引。まだシーズン序盤だが、2年連続最下位だった中日は、しっかりライバルチームに食らいついている。

 中田は2007年にドラフト1位で日本ハムに入団。高校通算87本塁打という記録を引っ提げてプロ入りすると、ほどなく頭角を現し、2013年と2017年のWBCでは日本の主砲として活躍したが、キャリアが暗転したのが2021年の不祥事だ。

「その年、プレーに精彩を欠いていた中田は、8月の遠征で後輩選手に対する暴行事件を起こし、無期限の出場停止処分に。チームメイトに暴力を振るう蛮行により、選手生命が途切れるピンチでしたが、手を差し伸べたのが巨人の原監督でした。処分から10日足らずで中田獲得を決めると、すぐに選手登録して試合に起用。中田のキャリアは繋がりましたが、移籍で出場停止処分がチャラになる悪しき前例を作り、強い批判を受けました。

 その後、中田は2022年オフに3年契約を結びましたが、昨年オフに阿部慎之助が新監督に就任すると、先発で使われない可能性が高いことなどから巨人との契約を破棄すると、中日が獲得しました」(スポーツ担当記者)

 昨年の中日は打率、打点、ホームラン数の全てがリーグ最低で、1試合平均得点が3点に満たない貧打戦。通算303本塁打のスラッガーが移籍先を探していれば、獲得に動くのは当然だったが、そもそも中田は巨人のチームカラーに合わなかったという声は多い。

「原監督は『もう一度チャンスを』と言って中田を獲得しましたが、『常に紳士たれ』がモットーの巨人と中田は、まるで“水と油”。ヤンチャなキャラの選手がのびのびプレーできるチームではありません。

 例えば髪の色。中田は日ハム時代、ド派手な金髪でしたが、巨人は茶髪、ヒゲ、長髪は原則禁止です。小笠原道大や梶谷隆幸はFA移籍する際にトレードマークのヒゲを剃りましたし、陽岱鋼や山口俊は茶髪を黒に染めました。中田が中日に入るとすぐに金髪に戻したのは、そういったルールに対する無言の抗議のようにも受け取れます。

 チーム内の状況も違います。日ハムではまるで“王様”でしたが、巨人には菅野智之、坂本勇人、丸佳浩といった大物がゴロゴロいて、4番には岡本和真がどっしり座り、中田は完全にサブキャラ。コーチも大御所揃いで、好き勝手に振る舞える余地は全くありません。お山の大将が主役でいられないストレスは相当なものだったでしょう。

 それに加えて巨人は、ファンも多ければ、メディアの注目度も高く、OBも何かと口を出してくる。少しでもチーム成績が悪ければ、すぐに戦犯探しが始まるのが常勝軍団の宿命。そんななか、優勝から遠ざかる状況が続き、異例の経緯で入団した“悪童”は格好のスケープゴートでした」(フリーのスポーツライター)

関連キーワード

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗、直近は「マスク姿で元気がなさそう…」スイミングスクールの保護者が目撃
NEWSポストセブン
娘たちとの関係に悩まれる紀子さま(2025年6月、東京・港区。撮影/JMPA)
《眞子さんは出席拒否の見込み》紀子さま、悠仁さま成年式を控えて深まる憂慮 寄り添い合う雅子さまと愛子さまの姿に“焦り”が募る状況、“30度”への違和感指摘する声も
女性セブン
電撃結婚を発表したカズレーザー(左)と二階堂ふみ
「以前と比べて体重が減少…」電撃結婚のカズレーザー、「野菜嫌い」公言の偏食ぶりに変化 「ペスカタリアン」二階堂ふみの影響で健康的な食生活に様変わりか
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
「ローションに溶かして…」レーサム元会長が法廷で語った“薬物漬けパーティー”のきっかけ「ホテルに呼んだ女性に勧められた」【懲役2年、執行猶予4年】
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
「なぜ熊を殺した」「行くのが間違い」役場に抗議100件…地元猟友会は「人を襲うのは稀」も対策を求める《羅臼岳ヒグマ死亡事故》
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗「アラフォーでも美ボディ」スタートさせていた“第2の人生”…最中で起きた波紋
NEWSポストセブン
駒大苫小牧との決勝再試合で力投する早稲田実業の斎藤佑樹投手(2006年/時事通信フォト)
【甲子園・完投エース列伝】早実・斎藤佑樹「甲子園最多記録948球」直後に語った「不思議とそれだけの球数を投げた疲労感はない」、集中力の源は伝統校ならではの校風か
週刊ポスト
音楽業界の頂点に君臨し続けるマドンナ(Instagramより)
〈やっと60代に見えたよ〉マドンナ(67)の“驚愕の激変”にファンが思わず安堵… 賛否を呼んだ“還暦越えの透け透けドレス”からの変化
NEWSポストセブン
反日映画「731」のポスターと、中国黒竜江省ハルビン市郊外の731部隊跡地に設置された石碑(時事通信フォト)
中国で“反日”映画が記録的大ヒット「赤ちゃんを地面に叩きつけ…旧日本軍による残虐行為を殊更に強調」、現地日本人は「何が起こりるかわからない恐怖」
NEWSポストセブン
石破茂・首相の退陣を求めているのは誰か(時事通信フォト)
自民党内で広がる“石破おろし”の陰で暗躍する旧安倍派4人衆 大臣手形をバラ撒いて多数派工作、次期政権の“入閣リスト”も流れる事態に
週刊ポスト
クマ外傷の専門書が出版された(画像はgetty image、右は中永氏提供)
《クマは鋭い爪と強い腕力で顔をえぐる》専門家が明かすクマ被害のあまりに壮絶な医療現場「顔面中央部を上唇にかけて剥ぎ取られ、鼻がとれた状態」
NEWSポストセブン
小島瑠璃子(時事通信フォト)
《亡き夫の“遺産”と向き合う》小島瑠璃子、サウナ事業を継ぎながら歩む「女性社長」「母」としての道…芸能界復帰にも“後ろ向きではない”との証言も
NEWSポストセブン