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【徳光和夫が明かす『妻の認知症』】「買い物に行ってくる」と出かけたまま戻らない失踪トラブル…助け合いながら向き合う「日々の困難」

現在は1日5回ほど自宅に電話し、妻の様子を確認するという徳光

現在は1日5回ほど自宅に電話し、妻の様子を確認するという徳光(撮影/関谷知幸)

 半世紀以上も第一線でマイクを握り続けている徳光和夫(83才)は、これまで仕事第一で生きてきた。「家のことも子供のことも妻任せだった」と語る彼の妻に異変があらわれたのは、5年ほど前のこと。そして今年に入ってから妻を巡って起きたある出来事は、夫婦の関係性を改めて見つめ直すきっかけになった。【前後編の前編。後編を読む

「ちょっとジャガイモを買いに行ってくるわね」。そう言って雨の中を出かけた妻の姿は、いつもと変わらなかった。

 だが普段なら40分ほどで帰宅するはずが帰ってこない。少し寄り道しているのかと思ったが、1時間が過ぎ、2時間が過ぎても「ただいま」の声は聞こえなかった。

 心配なのは、彼女が認知症を患っていることだ。予期せぬアクシデントが生じたかと急いで雨合羽を羽織り、馴染みのスーパーやコンビニを回るが、妻の姿は見当たらない。お店の人も首を横に振るばかりだ。不安で動悸が激しくなり、息苦しささえ覚える中、夫は“最後の手段”として警察に通報した。

「妻の失踪」という緊迫の事態を告白するのは、フリーアナウンサーの徳光和夫だ。

「最初は交通事故を疑いました。でも、近所で救急車のサイレンが聞こえてこなかったので、おそらく妻は帰り道がわからなくなったのだと思いました。陽が落ち、雨も降っていたので、3時間以上が経過した時点で、たまらず警察に連絡しました」(徳光・以下同)

 通報を受けた生活安全課の署員が神奈川県茅ヶ崎市の徳光家に駆け付け、妻の特徴などを質問。警察や行政のネットワークで捜索を始めようとした矢先だった。玄関の扉が開いて、「ただいま」という聞き慣れた声が響いた。

「妻が笑顔でケロッとして帰ってきたんです。傘をさしていたはずなのに服や靴はびしょ濡れで、警察の人を見て『あら、どうしたの? お客さん?』と一言」

 思わぬ失踪トラブルだったが、いまの徳光夫婦にとっては“想定外”のことではない。注意深く、助け合いながら、日々の困難に向き合っている。

緩やかに、だが確実に進む症状

 徳光が、同い年の妻(83才)の異変に気づいたのは5年ほど前のことだった。

「最近のお袋、同じ話を繰り返していないか?」

 次男でタレントの正行(52才)にそう聞かれた徳光はハッとした。

「それまで私が無関心だったのかもしれませんが、言われてみると思い当たることがいくつもあった。確かに同じ話は繰り返すし、物忘れも多い。気づけば、妻の症状は少しずつ進行していたようだ。最初は自分が朝しゃべったことを夜に忘れていたのが、いつの間にかお昼には忘れるようになりました」

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