小学館が公表した調査報告書

小学館が公表した調査報告書

 ところが──。10月19日、日本テレビ社員Y氏から送られてきた「第9話脚本(第5稿)」には、またも脚本家のオリジナルのセリフが残っていた。小学館社員Aは、芦原さんに「脚本家の創作が残っている」ことを注意喚起したうえでこの脚本を送った。

〈芦原氏は、20日19時17分、「第9話脚本(第5稿)」を全部読んだうえとして、同脚本を全て承諾しないとし、第9 話の構想の概略を示したうえ、自分で書く、本件脚本家を代えてくださいと記載したLINE を社員Aに送った〉

 さらに、同月21日。芦原さんは、小学館社員Aに以下のLINEを送った。

〈脚本家さんは、今すぐ替えて頂きたいです。最初にキチンと、終盤オリジナル部分は芦原があらすじからセリフまで全て書くと、お約束した上で、今回この10月クールのドラマ化を許諾しました。約束が守られないなら、Huluも配信もDVD化も海外版も全て私は拒絶します。●●さん(本件脚本家。原文は実名)のオリジナルが少しでも入るなら、そもそも私は9、10話永遠にオッケー出さないです。●●さん(本件脚本家。原文は実名)の度重なるアレンジで、もう何時間も何時間も修正に費やしてきて、限界はとっくの昔に超えていました〉

 ここで、9話と10話について、脚本家が交代することが決定的となった。

脚本家交代要請は妥当だったのか

 では、そのような脚本家の交代要請は妥当だったのか。調査報告書では、こう結論付けられている。

〈元々原作者は、原作品の翻案たる脚本について、著作物の性質並びにその利用の目的および態様に照らしやむを得ないと認められるものでない限り、改変を拒否できる。(中略)本件脚本家の作成する脚本が本件漫画の世界観や思想を表現しておらず、改変と認める場合には単に改変の脚本を承諾しないだけでなく、自ら脚本を書く権利があったと言える。したがって本件脚本家の脚本が納得できない場合には、当然に脚本家を変更することができたのである。

そして10月19日に提出された第9話脚本(第5稿)は、芦原氏の第9話の詳細プロットのエピソード順番を入れ替えたり、オリジナルなセリフを挿入したりするなどして、芦原氏が納得できるものではなかったのであるから、芦原氏が自ら脚本を書くことにして、本件脚本家の交代を要請することができたと言ってよい〉

〈すでに多くの時間をかけて脚本の監修をしていた芦原氏において、ドラマ制作過程の限られた時間的制約の中で、くり返し要請をしてもなお改変が修正されないことから、これ以上続ける時間が無いと考え、交代を求めたのは妥当な判断であった〉

 繰り返された脚本の「ラリー」と、脚本家の交代。そこから、脚本家によるSNS投稿につながっていくことになる。

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(Instagramより)
〈シ◯ブ中なわけねいだろwww〉レースクイーンにグラビア…レーサム元会長と覚醒剤で逮捕された美女共犯者・奥本美穂容疑者(32)の“輝かしい経歴”と“スピリチュアルなSNS”
NEWSポストセブン
スタッフの対応に批判が殺到する事態に(Xより)
《“シュシュ女”ネット上の誹謗中傷は名誉毀損に》K-POPフェスで韓流ファンの怒りをかった女性スタッフに同情の声…運営会社は「勤務態度に不適切な点があった」
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(時事通信社/読者提供)
《動機は教育虐待》「3階建ての立派な豪邸にアパート経営も…」戸田佳孝容疑者(43)の“裕福な家庭環境”【東大前駅・無差別切りつけ】
NEWSポストセブン
未成年の少女を誘拐したうえ、わいせつな行為に及んだとして、無職・高橋光夢容疑者(22)らが逮捕(知人提供/時事通信フォト)
《10代前半少女に不同意わいせつ》「薬漬けで吐血して…」「女装してパキッてた」“トー横のパンダ”高橋光夢容疑者(22)の“危ない素顔”
NEWSポストセブン
露出を増やしつつある沢尻エリカ(時事通信フォト)
《過激な作品において魅力的な存在》沢尻エリカ、“半裸写真”公開で見えた映像作品復帰への道筋
週刊ポスト
“激太り”していた水原一平被告(AFLO/backgrid)
《またしても出頭延期》水原一平被告、気になる“妻の居場所”  昨年8月には“まさかのツーショット”も…「子どもを持ち、小さな式を挙げたい」吐露していた思い
NEWSポストセブン
初めて万博を視察された愛子さま(2025年5月9日、撮影/JMPA)
《万博ご視察ファッション》愛子さま、雅子さまの“万博コーデ”を思わせるブルーグレーのパンツスタイル
NEWSポストセブン
憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン