KADOKAWAの夏野剛・社長(写真/共同通信社)

KADOKAWAの夏野剛・社長(写真/共同通信社)

 今回のKADOKAWAを攻撃した犯行組織もロシア系だと見られている。この組織は2023年4月から活動しているのが確認されており、他のグループとほぼ協力することなく単独で攻撃を行なっている。これまではフィッシングメールなどを駆使してサイバー攻撃を行なう手口を使っていたと分析されている。

 KADOKAWAに取材を申し込むと、NewsPicksの記事については「弊社からコメントすることはございません」と回答。「一日も早い復旧を目指して、当社グループ一丸となり、全力を尽くしてシステムおよび事業活動の正常化に向けて取り組んでまいります」とコメントした。

 こうしたランサムウェア被害に遭わないために、企業などは何ができるのか。シンガポールと東京に拠点を置くサイバーセキュリティ企業「サイファーマ」のクマル・リテシュCEOは、「ネットワークを分割してセグメント化し、メールやリンクを扱う従業員を教育し、ログインやアクセスの際に多要素認証を適用すべきです」と話した。

 一度感染すると、身代金を支払ったり、復旧のためにシステムを再構築するコストで、会社が一気に傾いてしまう可能性もある。警察庁のデータによると、ランサムウェア攻撃を受けた後の調査や復旧にかかる費用として1000万円以上かけている企業が46%に上るとしている。

 そうした被害を防ぐためにも、被害者側の責任だけに目を向けるのではなく、被害企業などが情報共有しやすくなる環境づくりが大切になってくる。

【プロフィール】
山田敏弘(やまだ・としひろ)/1974年、滋賀県生まれ。国際ジャーナリスト。1999年米ネバダ大学ジャーナリズム学部卒業。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版編集記者などを経て、米マサチューセッツ工科大学で国際情勢やサイバーセキュリティ、インテリジェンスの研究・取材活動にあたった。帰国後はジャーナリストとして活躍。近著に『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)。

※週刊ポスト2024年7月12日号

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