ビジネス

《“悪質カスハラ”の実態》美容室や歯科医院のHPで女性従業員の顔写真を見て“指名”男性客「至近距離で息を吹きかけ」「シャワーは別スタッフに交代で激昂」

接客業では当然とされてきた名札の着用が見直されつつある(イメージ)

接客業では当然とされてきた名札の着用が見直されつつある(イメージ)

 顧客による理不尽で著しい迷惑行為を「カスタマーハラスメント」という和製英語で呼ぶようになったのは、2018年頃のこと。2022年には厚生労働省が「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を公表し、社会に広く、予防と対策をたてて根絶すべき問題だと共有されるようになった。ところが現実には、客であることに便乗した迷惑行為は続いている。ライターの宮添優氏が、顧客サービスのために掲載しているHPをきっかけに続くカスハラについてレポートする。

 * * *
 顧客による従業員へのカスハラ(カスタマーハラスメント)やセクハラ、ストーカー被害を未然に防止するという観点から、コンビニやファミレスなどの従業員の「名札」を廃止したり、フルネーム表記を取りやめる動きがジワジワと広がりつつある。

 筆者も以前、スーパーマーケットやファミリーレストランで、着用していたフルネームの名札をきっかけに、SNSで顧客から友人申請が来たり、ストーカー被害に遭った女性従業員たちが苦悩する実態について取材をした。その後、前述のように名札のあり方が見直され、カスハラ被害に一定の効果はあげた。だが、名札をきっかにしたカスハラは分かりやすい一例だったにすぎず、被害全体からみればごく一部でしかなく、働く女性たちに対するハラスメントは変わらず続いている。

若手に交代したら激昂する男性客

「女性のお客様が9割なので、そもそも男性の予約自体が珍しい。最近では、男性からの予約、というだけで体がこわばってしまう」

 自らの被害をこう訴えるのは、東京都渋谷区内の美容室オーナー・Aさん(30代)。美容室の予約サイトを見ても、予約が2ヶ月先まで埋まっているような人気店で、コメント欄を覗くと特に女性客からの支持が厚いことが窺える。一体何が起きているというのか。

「1割の男性のお客様は、紹介とか、美容師の個人的なつながりで来店される方がほとんど。ですが、この2~3年で、紹介などではない新規の男性のお客様からの予約がポツポツ入るようになりました。正直、女性をターゲットにしたお店ですし、男性がいらっしゃらないことを前提としていましたが、予約があれば断らないようにしていたのです。ただ、新規の男性客の中には、HPなどで女性美容師の写真を見てやってきて、セクハラまがいのことをする方がいらっしゃいます」(Aさん)

関連記事

トピックス

公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でハリー・ポッター役を演じる稲垣吾郎
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』に出演、稲垣吾郎インタビュー「これまでの舞台とは景色が違いました」 
女性セブン
麻薬取締法違反容疑で家宅捜査を受けた米倉涼子
「8月が終わる…」米倉涼子が家宅捜索後に公式SNSで限定公開していたファンへの“ラストメッセージ”《FC会員が証言》
NEWSポストセブン
巨人を引退した長野久義、妻でテレビ朝日アナウンサーの下平さやか(左・時事通信フォト)
《結婚10年目に引退》巨人・長野久義、12歳年上妻のテレ朝・下平さやかアナが明かしていた夫への“不満” 「写真を断られて」
NEWSポストセブン
人気格闘技イベント「Breaking Down」に出場した格闘家のキム・ジェフン容疑者(35)が関税法違反などの疑いで逮捕、送検されていた(本人SNSより)
《3.5キロの“金メダル”密輸》全身タトゥーの巨漢…“元ヤクザ格闘家”キムジェフン容疑者の意外な素顔、犯行2か月前には〈娘のために一生懸命生きないと〉投稿も
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
ハワイ島の高級住宅開発を巡る訴訟で提訴された大谷翔平(時事通信フォト)
《テレビをつけたら大谷翔平》年間150億円…高騰し続ける大谷のCMスポンサー料、国内外で狙われる「真美子さんCM出演」の現実度
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン