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《“国籍売買”の実態》マルタでは正式ルートで2億円 カンボジアの裏ルートでは日本人が国籍を求める“ワケあり事情”

日本では不可だが二重国籍が認められている国は少なくない(イメージ、dpa/時事通信フォト)

日本では不可だが重国籍が認められている国は少なくない(イメージ、dpa/時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、国籍購入の表と裏について。

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 日本のパスポートは世界でも最強、イギリスの調査会社ヘンリー&パートナーズが発表しているヘンリー・パスポート・インデックスというパスポートランキングで、世界199の国と地域のうち、2024年度、日本はフランスやドイツ、イタリアなどとともに1位になった。ランキングでは、事前にビザ申請なしで渡航できる国や地域の数を比較している。

 日本のパスポートでビザなし渡航できるのは、世界227のうち194の国や地域。そんな最強のパスポートを持つ日本国民だが、是非とも他国の国籍が欲しいという人もいる。日本は二重国籍を認めていないが、在日外国人や帰化した人たちの中には前の国籍を返納せず、二重国籍状態の人達もいると聞く。昔は在日韓国人や在日朝鮮人のヤクザや、中国出身の犯罪組織がらみの人たちには、事件や問題を起こした時、すぐに逃げられるよう国籍を保持している者も多かったといわれる。日本人の成人は一人にひとつしか国籍がない前提のため、異なる国のパスポートを持つ人は、日本人ではないから別人、と出国審査で見過ごされる可能性が高くなる。

 二重国籍を認めている国でも、ビザなし渡航できる国が少ないパスポートもあり、他国への出入国をスムーズにするため、別人になれるもう一つの国籍を取得する人もいる。まったく別人に偽装するのではなく、名前も生年月日も同じまま、国籍が違うだけの、もう一人の自分になれるという意味だ。彼らが使うのは国が販売する正規ルートだ。2020年9月4日付けの朝日新聞では、外国人でも国籍が買えるとして太平洋の島国バヌアツについて報じている。申請料は1人13万ドル(2024年現在のレートで約2100万円)。家族を含む場合は追加の申請料が必要だ。バヌアツは国として2017年に制度を導入しているため、国籍付与にあたり治安当局による犯罪歴などが審査される。国籍を購入しているのは中国本土や香港からの中国人。バヌアツのパスポートだと110か国にビザなしで入国できるという。

 他にも人気なのは地中海に浮かぶ島国マルタだ。英語が公用語で通貨はユーロ、この国の国籍が取れればEU諸国間の往来は自由自在だ。国籍取得には約115万ユーロ(現在のレートで約2億円)かかる。内訳は政府に65万ユーロ、政府認可の投資に15万ユーロ、35万ユーロの不動産をマルタに所有する必要があるという。類似の制度を持つのがブルガリアやギリシャで、こちらはロシアや中東の金持ちが購入しているらしい。これらはすべて正規ルートだ。

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