ライフ

【インプラント治療】どの歯科医師、歯科医院を選べばいいか?「“楽で簡単な治療”と広告でアピール」「治療費が安すぎる」には要注意

歯周病は重大疾病を招くリスクも…(イメージ)

最強の歯科医を本誌が総力取材

「歯は健康の生命線」といわれるが、一度失えば戻ってこない。虫歯や歯周病に加え、もろくなった歯で硬いものを食べたり思わぬ事故やけがをしたり──さまざまな理由で失われる歯を補う方法を知っておけば、人生の後半戦のQOL(生活の質)は大きく上昇する。確かな腕と熱い心を持った「最強の歯科医」を、ジャーナリストの鳥集徹氏と『女性セブン』取材班が総力取材した。【前後編の後編。前編を読む】

 * * *
 入念に検討を重ね、入れ歯を作ってはみたものの満足できないという場合には、インプラントも選択肢に入ってくる。その場合、最初に大きな問題となるのが、入れ歯と同じく「どの歯科医師、歯科医院を選べばいいか」だ。

 特にインプラント治療は例外を除いて原則的に自由診療となるため、保険診療だけでは経営が厳しいデンタルクリニックが、利益を得るために技術や経験が浅いにもかかわらずインプラントに手を出すケースがあると指摘されている。電車の車内や街角のビルで「インプラント」の文字が書かれた広告を目にすることもよくある。中には線路や道路沿いに、大きな看板を出している歯科医院もあるが、それらの内容を信じていいのだろうか。

 のべ2万本以上の手術を執刀してきたインプラント治療のエキスパートである、ひかり歯科医院の堤隆一郎歯科医師はこう話す。

「資本主義社会ですから、そうした広告を否定するつもりはありません。ですが、もし『簡単で楽な治療です』といったことを前面に出しすぎているようであれば問題です。

 インプラントは歯ぐきを切開し、顎の骨の中にチタン製の人工歯根を埋め込む手術を行います。腕を骨折したら皮膚を切って骨を露出させ、それにプレートやボルトを埋め込む手術が必要な場合がありますよね。インプラントの手術も規模は違えど、していることは同じです。麻酔もしますし、抗生剤などの薬剤も使います。

 ですから、私たちが治療にあたるときも患者さんの決定を急かすことはありませんし、体に多少なりとも負担がかかることもきちんとお伝えします。簡単だとか楽だとかいうことを、あまりにも前面に押し出している歯科医院は要注意だと思います」

 また、相場より治療費が安すぎるのも問題だ。堤歯科医師が続ける。

「治療費を抑えるために、どこかでコストを省いているはずです。例えば、品質の低いインプラントや、安い材料の人工歯を使っているかもしれません。また、当院は歯科麻酔の専門医含め5人のスタッフで手術していますが、治療費が安い歯科医院は人件費を抑えるため、優秀な医師やスタッフが充分そろっていない可能性が高い。

 そのような歯科医院で治療を受けると、いざトラブルが起こったときに、患者さんは『こんなはずじゃなかった』と後悔することになるかもしれません」

 適切な配慮のもと治療が行われれば、健康的な状態を長期間保つことができる一方で、インプラント治療によるトラブルも多く報告されている。ブローネマルク・オッセオインテグレイション・センター院長の小宮山彌太郎歯科医師が解説する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン