事件をめぐる人物相関図

事件をめぐる人物相関図

近隣住民が首をかしげること

 大河原町の火災では、木造2階建ての一軒家が全焼し、隣家外壁も焼けた。玄関付近から炎が上がっているのを見つけた隆一さんが通報したという。消防は「こぼれたガソリンに線香の火が引火した」としているが、火災から1年が過ぎた今でも、近隣住民は首をかしげる。

「ずっと変だと思ってるんだよ。あの日は一気に激しく火が燃え上がったから、近所の人たちで公園に逃げたわけ。そうしたら、村上さんの家族がそこに立って火を見てるんだよ。村上さんのお母さんは足が不自由だから、逃げ遅れたのかと心配していたら『おばあちゃんは避難させてきた』って言うわけ。あんなにすごい勢いで火が燃えてるのに、もう避難させてきて、火を見てたんだ」

 別の住民も言う。

「村上さんの家族は公園で消防から事情を聞かれていて、『隆一さんの息子がガソリンの入った携行缶を持ってきて玄関に置いていたらこぼれたので、拭き取った。しばらくしたら奥の部屋からバーンと爆発した』と説明していたんです。それが本当であれば、村上さんの家族は負傷していてもおかしくないと思うのですが、逃げて隆一さんのお母さんを避難させ、無傷で火を見ていたので不思議に思いました」

 この火災からほどなく、隆一さんは殺害された。それから約4か月後、殺人容疑で逮捕されたのは隆一さんの次男、村上直哉(24=逮捕当時)と、隆一さんの“長男の妻”、村上敦子(47=同)。現在は殺人罪で起訴されており、裁判員裁判を待つ身だ。敦子被告と直哉被告は事件前日夜から、隆一さんの住む住宅でマージャンをしていたという。そこには敦子被告の16歳年下の夫である、隆一さんの長男も同席していた。日付が変わり、2023年4月17日未明、直哉被告が玄関先で隆一さんの腰を刺して殺害したとされる。

 逮捕されたのはふたりだけではない。敦子被告の知人である夫婦も証拠隠滅容疑で逮捕された。大河原町に住む無職、松野新太(49=同)と妻のみき子(43=同)は敦子被告の依頼を受け、凶器である包丁や衣服などを燃やして土の中に埋めたという。さらに殺人事件の捜査の過程で、敦子被告をはじめとする親族が絡んだ美人局詐欺事件も発覚し、逮捕者が増えた。

 SNSの出会い系サイトを介して男性から金を騙し取ったとする詐欺や詐欺未遂の容疑でこの4人に加え、殺人事件前日にマージャン卓をともに囲んでいた隆一さんの長男、村上保彰(31=同)、敦子被告の姉・市瀬恵美(48=同)も逮捕される。計6名が美人局詐欺にかかわり、そのうち2名が殺人事件に関与、さらに別の2人が証拠隠滅に関与したという構図だ。松野夫婦には今年1月、懲役3年、執行猶予5年の判決が言い渡されている。

 美人局詐欺においても、敦子被告が主導的な役割を担い、他の5人が詐欺の被害者に対し因縁をつけるなどしていたという。公判で明らかになったところによれば、松野新太と妻のみき子は、敦子被告に借金があった。美人局で騙し取った金を、借金返済に充てていた。

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