運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告

運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告

 事件前日にも話し合いが行なわれたが、27日同様、平行線をたどる。そして当日、内田被告は包丁を持参して話し合いに赴き、内田被告を自宅まで送るため車に乗り込もうとしていた大川さんを後ろから刺したという。「被害者からの借金返済要求から逃れるために殺害を決意した」と検察官は指摘している。

 会社に設置された防犯カメラ映像には、大川さんが背を向けた隙に、内田被告がトートバックから取り出した包丁で大川さんの背中を突き刺す様子や、逃げる大川さんを何度も刺し、さらに敷地内に倒れた大川さんに馬乗りになって刺し続ける様子が記録されている。大川さんは事件前に足を骨折しており、全快には至っていなかった。犯行に使われた包丁は刃渡り17.4センチ。遺体には18か所の傷があり、そのうち腹部の傷は深さ16.1センチ。刃がほとんど根元まで刺さったとみられる。

 まさに滅多刺しだが、犯行に及んだ当の内田被告は弁護人からの被告人質問に対して「大川さんへの恐怖」があったと繰り返した。被告が言うには、「前刑の詐欺未遂は、暴力団の準構成員であった大川さんから指示された」ため「服役しているときに関係を断とうと決意していた」のだという。出所後は「連絡を取る頻度が減っていったため、大川さんから警告を受けるようになった」ことから、再び会うようになったと語った。

あどけない顔を見せることも(内田被告=左)

あどけない顔を見せることも(内田被告=左)

「会うようになってから大川さんは『自分の目の届くところで仕事をするように』と言い、『AKトランスのドライバーとして働け』と言われました」(被告人質問での証言)

 内田被告とその父親とで、借金返済について話し合いをしたことについても、「今後、大川さんの会社で働くにあたり父親に説明したいと言われていたのに、話が違っていたので、なぜ借金の話をしているのかと思った」と内田被告は語る。約300万円の借金は内田被告としては「借りてないし、払う必要はない」と思っていたという。そして事件当日、大川さんと借金返済の話し合いになり〈返済ができないのなら親のところに行くしかない〉と大川さんに言われたため、包丁で刺した……と語った。

後編に続く

◆取材・文/高橋ユキ(フリーライター)

関連記事

トピックス

赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)
大谷翔平、ドジャース先発陣故障者続出で急かされる「二刀流復活」への懸念 投手としてじっくり調整する機会を喪失、打撃への影響を危ぶむ声も
週刊ポスト
単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
大の里の調子がイマイチ上がってこない(時事通信フォト)
《史上最速綱取りに挑む大関・大の里》序盤の難敵は“同じミレニアム世代”の叩き上げ3世力士・王鵬「大の里へのライバル心は半端ではない」の声
週刊ポスト
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎ストーカー殺人事件》「テーブルに10万円置いていきます」白井秀征容疑者を育んだ“いびつな親子関係”と目撃された“異様な執着心”「バイト先の男性客にもヤキモチ」
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン
小室圭さんの“イクメン化”を後押しする職場環境とは…?
《眞子さんのゆったりすぎるコートにマタニティ説浮上》小室圭さんの“イクメン”化待ったなし 勤務先の育休制度は「アメリカでは破格の待遇」
NEWSポストセブン
食物繊維を生かし、健全な腸内環境を保つためには、“とある菌”の存在が必要不可欠であることが明らかになった──
アボカド、ゴボウ、キウイと「◯◯」 “腸活博士”に話を聞いた記者がどっさり買い込んだ理由は…?《食物繊維摂取基準が上がった深いワケ》
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
NEWSポストセブン