国際情報

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記を称える歌『親しいオボイ(父親)』 職場や住民集会でことあるごとに歌わされ、市民はうんざり

金正恩氏を「オボイ」と呼ぶことに抵抗を感じている人も(時事通信フォト)

金正恩氏を「オボイ」と呼ぶことに抵抗を感じている人も(時事通信フォト)

 北朝鮮では金正恩朝鮮労働党総書記を称える歌『親しいオボイ(父親)』のMVが今年4月17日、国営朝鮮中央テレビで初めて放送された。このMVには、金総書記やその娘、アナウンサーや兵士なども登場している。MV公開以来この5カ月間、北朝鮮では集会などで、この歌をことあるごとに歌わなければならなくなっており、うんざりしている人も多いという。

 歌の題名に入っている「オボイ」という言葉について、北朝鮮の辞書では「父母」のほか、「敬慕する最高指導者」への呼称と記されているが、年長中のなかには、金氏を「オボイ」と呼ぶことに抵抗を感じている人も多いという。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 北朝鮮では毎朝、出勤時や退勤時に拡声器を付けた宣伝車がこの曲を流しながら道路を走っているほか、企業や党組織、住民の集会などでは開会前に必ず出席者がこの歌を歌うことが半ば義務のようになっているという。

 北朝鮮北東部の内陸部に位置する両江道(県に相当)の住民は取材に対して「道内のすべての工場、企業、学校など人が集まるところでは、子供でも、大人でも毎日、毎日、この歌を歌っています」と語っている。

 この歌の歌詞には「あなたが私にくれる愛は海のようなものです。あなたが私に与える信頼は空のようなものです」「あなたはいつも私たちのそばにいて、私たちのすべての願いを叶えてくれます」などのフレーズがあるが、金氏はまだ40歳であり、中年以上の人々はどうしても、この歌を歌うことに抵抗があるようだ。

 朝鮮労働党機関紙、労働新聞は国外の動画共有サイトの視聴者が1100万人に達したとして「世界的に大反響を呼んでいる」と報じている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
“アンチ”岩田さんが語る「大谷選手の最大の魅力」とは(Xより)
《“大谷翔平アンチ”が振り返る今シーズン》「日本人投手には贔屓しろよ!と…」“HR数×1kmマラソン”岩田ゆうたさん、合計2113km走覇で決断した「とんでもない新ルール」
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン