池田受刑者が投稿した手紙1(Xより)
刑務所を「大学」というヤクザもいる。刑務所の中で資格を取ったり、勉強できたりするからだ。持て余すほどの時間の中で、本を読む習慣がついたという者もいる。彼らの一番の楽しみは本を読むことだ。差し入れてもらう物には食べ物や生活用品もあるが、やはり本が好まれる。関西を拠点に活動する暴力団の幹部が刑務所にいた時は、「本は1回の差し入れで3冊、頼んでいたのは歴史小説や著名人の伝記。ヤクザの中では戦国時代を扱った小説が人気だった。じっくりゆっくり読めるからね。あとは立身出世の伝記物だ」。刑務所には官本という備え付けの本もあり、そこには法律書や古典や名作が置かれていると聞く。彼らはそれらの本を読んだり、手紙や文章を書いたりして過ごす。そのためなのだろうか、幹部はかなりの博識で彼の書く文字は達筆だった。
なぜ彼らが刑務所を別荘や大学と呼ぶのかといえば、ヤクザの多くが刑務所生活を経験しているからだ。幹部はヤクザとして50年近くを生きてきたというが、「これまで知っているヤクザの中で、刑務所に行ったことのないやつはいない」と断言する。何百人というヤクザを知っているというが、懲役刑になったことのない者は誰1人いなかったというのだ。「刑務所の中から手紙を寄こすヤツもいるが、検閲が入るため言葉は常に丁寧で、余計なことは一切書かない。感傷的なことを書いてくるヤツもいるが、それに返事を出すことはない」という。
池田受刑者が公開した直筆の手紙を、待っていてくれるファンを心の支えにしたいと捉えるのか、天涯孤独の身として刑務所にいる間、差し入れをしてくれるような人を探そうとしているのかと考えるのか。何人もの子分が詐欺で捕まったという会長の元姐さんは、「詐欺で捕まったヤツなんて利用できる者はどこまでも利用しようとするものだ」といっていた。「そういうヤツは謝罪はしても反省はしない。更生すると誓っても、それは口先だけのこと。心を入れ替えて更生できる者なんて、ほんの一握りにすぎない」と冷ややかだった。池田受刑者の手紙には被害者への謝罪もなければ、反省の文字もなかった。
それから10日後の22日、おそらく代理投稿してもらっているのだろう、「お手紙を届けてくださった貴方へ」と題した3枚にわたる手紙を公開した。ネットの炎上を「燃えてナンボじゃい!」と記し、「応援してくれや!」「待っていてくれや!」と声をあげる。だが刑務所を刑事施設と書き、自分が受刑者であるという事実は受け入れたくないようだ。
手紙に書かれていたというファンの望みを叶えたい、光になりたい、「貴方が居るから、僕はまだもう少し頑張れるのです」と綴り、「待っていて」という言葉とともにサインで締めている。これを読んだ元姐さんは「まるで血眼になって太客を探そうとしている売れないホストみたいだね」と噴出した。
池田受刑者の思惑通り、この投稿は炎上。彼は今、これまで以上に注目を浴びている。