〈本件については、学園、弁護士及び東京都私学部の指導のもと、東京都に対し、いじめの重大事態案件として報告するとともに、該当のご家庭に対しては、同家庭からのご要望を受け、東京都に対して提出した報告書をお送りし、直接の面談にても、経緯を含めてご説明する旨をお伝えしていましたが、ご連絡がないままに至っています。本校としましては、引き続き、該当のご家庭に対し、誠意をもって対応していく所存です〉
確かにAくん一家のもとには、2024年5月、学校側から1通の封書が届いていた。内容は“Aくんの修学旅行中の行為が撮影された件及び撮影内容が一部生徒に送信された件について、東京都私学部からいじめ防止対策推進法の重大事態に当たるとして報告を求められ、その報告を行った”というものだった。だが、東京都生活文化スポーツ局私学部に対して具体的にどのような報告をしたのかは説明されておらず、「ご不明な点等ございましたら、直接、面談してご説明いたしますので、ご遠慮なくご連絡頂ければと存じます」としていたという。
Aくん一家が対応を保留していると、6月中旬、今度は東京都生活文化スポーツ局私学部に提出したという調査結果報告書が学校側から届いた。Aくんの母親が語る。
「2023年12月、息子は一連のトラブルについて東京都生活文化スポーツ局私学部に再度連絡しており、それを受けて、私学部が学校に働きかけたようです。第三者に開示しないように学校側に言われているので、詳細は明かせませんが、“東京都私学部から指摘を受けて再検討した結果、いじめの疑いがある重大事態として同私学部に報告するに至った。当学園として認識が甘かった” といった趣旨の内容でした」(Aくんの母親、以下同)