幼稚舎の元教員による家庭教師の費用を伝えるやり取り

幼稚舎の元教員による家庭教師の費用を伝えるやり取り

「いつか子供に謝罪したい」

 X氏の“斡旋メニュー”には、「幼稚舎の元教員」という肩書を持つ家庭教師も存在するという。

「この家庭教師は幼稚舎の運動会や餅つき大会に来賓として参加しており、現役教員や幼稚舎関係者との深いつながりが感じられました。X氏がこの家庭教師を斡旋するのは、“特別な入学ルート”を望んで大金を払う親のみ。私が最初にお願いしたときも、X氏が間に入り、家庭教師のために最寄り駅から自宅までの地図を作ることを求められました」

 幼稚舎とのパイプのある大物教員OBというだけあって、その費用もかなり高額だ。X氏が提示した家庭教師の費用は、入会金30万円、レッスン料1回につき3万円、諸経費が月3万円(月5回目からは1回につきプラス5000円)だったという。

「レッスンは子供が年少、年中のときは月1回ほどで、幼稚舎の入試が近づくと週1回になり費用がかさみました。内容は幼稚舎の入試科目でもある体操や工作を子供にやらせて、親にフィードバックするというものでした。レッスン回数を計算して数か月分をまとめて現金でX氏に支払うシステムで、“買収工作”同様、実際にいくら家庭教師にわたっていたのかはわかりませんが、X氏に、“特別な入学ルート”とは別の費用として数百万円を支払ったことは間違いありません」

 こうして自分の息のかかった教員や関係者たちを手なずけ、X氏は著名人たちも顧客にしていたのだ。改めてAさんが苦しい胸の内を明かす。

「最もかわいそうなのは、何も知らずに一生懸命受験勉強をしている子供たちです。私自身、安易に慶應ブランドをお金で買うような行為をしたことを恥じていますし、いつか自分の子供たちが成長したら、きちんと事情を説明し、謝罪したいと思っています」

 今日この瞬間も受験に挑む幼い子供たちに、「公平だ」と胸を張って言えるお受験であってほしい。

※女性セブン2024年11月21日号

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