鉄道遺構「高輪築堤」を視察する菅義偉首相(右)と萩生田光一文部科学相(いずれも当時)。2021年5月29日(時事通信フォト)

鉄道遺構「高輪築堤」を視察する菅義偉首相(右)と萩生田光一文部科学相(いずれも当時)。2021年5月29日(時事通信フォト)

 港区のほか歴史・鉄道関連の学会も現地保存を呼びかけたが、JR東日本は第2街区と第3街区から出土した遺構の一部を現地保存、第4街区の信号機台部と思われる石垣に関しては移築保存という結論に至っている。

第1期工事前との遺構保存への熱意の違い

 JR東日本がすすめる高輪ゲートウェイ駅前開発は、第1期工事(2025年3月開業予定)として1~4街区、第2期工事が5~6街区となっている。このほど一般公開された遺構は5~6街区から出土したものだ。第2期工事で出土した遺構や遺物については、第1期工事が始まる前と比べて、関係者の熱量が少ないように感じられる。

 たとえば港区は「第2期工事の5~6街区から出土した高輪築堤の遺構について、JR東日本に対して特に要望書は出していません」(同)という。また、第1期工事が始まる前には高輪築堤から露出した石などの寄贈してほしいと、大隈重信が鉄道開業に大きな功績を残したという関係から早稲田大学や出身地の佐賀県からも申し出があったが、今回の遺構について寄贈してほしいというリクエストはなかった。そして、5~6街区の遺構は調査終了後に埋め戻された。

 第1期工事の1~4街区に関しては、行政や学会なども大きな関心を寄せて開発に対する意見も活発に出されていた。一方、第2期工事のために埋め戻された5~6街区に対しては、そうした声は聞こえない。なにより、土地の所有者であるJR東日本も現段階で開発ビジョンを明確に示していない。

「第2期エリアの具体的な文化財保存とまちづくりの両立の考え方につきまして、東京都や港区とは今後の調整・議論になります。港区教育委員会による確認調査にて遺構の状況を把握したうえで、今後は文化財行政や有識者のご助言をいただきながら検討のうえ、文化財保護法等関係法令に則って適切に対応します」(JR東日本コーポレートコミュニケーション部門報道担当)

 第1期工事が終了し開業の目処が具体的になったとして、JR東日本は2025年3月にTAKANAWA GATEWAY CITYとしてまちびらきすることを発表している。そして、2024年10月30日にはTAKANAWA GATEWAY CITYのまちびらき150日前の記者会見を実施した。

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