芸能

玉袋筋太郎、師匠・ビートたけしに事務所を辞めると告げた日 胸に沁みた「殿」の言葉

今年58歳になる玉袋筋太郎

今年58歳になる玉袋筋太郎

 2018年、オフィス北野(現・株式会社TAP)を退所し、個人事務所「T.Nゴン」に移籍したビートたけし(78歳)。この“殿の独立騒動”で、「たけし軍団」はオフィス北野に残留か、事務所を出るか決断に迫られた。独立の道を選んだのが、お笑いコンビ・浅草キッドの玉袋筋太郎(57歳)だ。

 師匠・ビートたけしという偉大な存在に憧れて事務所に入った玉袋にとって、50代でフリーランス芸人に転向することは苦渋の決断だったという。当時、玉袋はどのような胸中だったのか――。

 50代を迎えた途端、人間関係や仕事、夫婦関係などが変わり、「人生って難しいな」と感じる機会が増えた玉袋が、「美しく枯れる」生き方をテーマに、右往左往しながらも前に進もうと懸命にもがく心境を綴った『美しく枯れる。』(KADOKAWA)。同書より、玉袋がたけしに事務所の退所を報告した際のエピソードをお届けする。(同書より一部抜粋して再構成)【全4回の第1回】

 * * *
 あらためて振り返ると、2018年からの数年間は激変の連続だった。

 その前年にオレは50歳になって、「さあ、これからバリバリ働くぞ!」と思っていた矢先に、殿が新しい事務所を立ち上げるために、オフィス北野から出ていった。

 一連の独立騒動では当時の森昌行社長がやり玉に挙げられることになったわけだけど、オレ自身は、森さんには恩もあったからとても複雑な心境だったんだ。

「殿がいない事務所に残るつもりはない」と、オレはこのとき考えたし、「浅草キッドとして自力で活動したい」という思いが強かった。

 だけど、相棒の博士とは意見の相違によって、結局は浅草キッドを続けていくことはできなかった。もちろん、今後の自分についてはいろいろ考えたよ。

 考えに考え抜いた結果、「もういちど一からやり直してみようか」と決めた。きちんと芸人として生きていくこと。恥ずかしくない仕事をすることこそ、殿への恩返しだと思ったから。

 もちろん、まずは殿に報告しなければならない。

 殿のマネージャーに確認すると、世田谷にある砧スタジオでの収録前なら時間があるという。「直接、お会いして自分の素直な気持ちを伝え、そしてこれまでのお礼をしなければ」。そんな思いとともに、砧スタジオに向かった。おそらく2018年の秋口くらいの出来事だったと思う。

 事前に、頭のなかでは何度も何度もシミュレーションした。事務所に残留するように説得されるのだろうか? それとも、オレの決断を認めてくれるのだろうか? もちろん、怒られたり、無視されたりするかもしれないとも考えた。

 せっかくいただいた、「浅草キッド」という看板を下ろしてしまうことも心苦しかった。相棒は残るのに、オレだけ出ていってしまうことを殿はどう思うだろうか?

 だけど、師匠がいない会社に自分が残ることは、どうしても道理に合わないと考えていた。それこそ、博士のいう「義がない」と考えたんだよ。そうかといって、殿がつくった新事務所に行くわけにもいかないし、そもそも入れてもらえるはずもない。

 オレは、事務所を辞めて独立するしかない。

 その決意は固かったけれど、はたしてどうやって、この思いを説明すればいいのか?

 殿はどんなリアクションを取るのだろうか?

 オレはおそるおそる、殿の楽屋を訪れた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
保護者責任遺棄の疑いで北島遥生容疑者(23)と内縁の妻・エリカ容疑者(22)ら夫妻が逮捕された(Instagramより)
《市営住宅で0歳児らを7時間置き去り》「『お前のせいだろ!』と男の人の怒号が…」“首タトゥー男”北島遥生容疑者と妻・エリカ容疑者が住んでいた“恐怖の部屋”、住民が通報
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
学業との両立も重んじている秋篠宮家の長男・悠仁さま(学生提供)
「おすすめは美しい羽のリュウキュウハグロトンボです」悠仁さま、筑波大学学園祭で目撃された「ポストカード手売り姿」
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
「港区女子がいつの間にか…」Nikiが親密だった“別のタレント” ドジャース・山本由伸の隣に立つ「テラハ美女」の華麗なる元カレ遍歴
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン