ビジネス

外国人材の“自己肯定感の高さ”が生む“奥ゆかしい日本”との齟齬《「できます」のレベルの差に驚愕》

日本で働く外国人コンビニ店員(イメージ)

日本で働く外国人コンビニ店員(イメージ)

 自己肯定感──自分の能力や性格など、自らの価値を前向きに捉える感覚で、仕事のパフォーマンスや人間関係など、人生の満足度に影響するものだ。外国人は日本人に比べて「自己肯定感が高い」と言われることが多いが、日本の労働や採用現場においては、文化の違いゆえに、高い自己肯定感がネガティブに働くこともあるようだ。具体的にはどのようなシーンなのか。

 外国人材と人手不足の日本企業を多数マッチングしてきた「株式会社ジンザイベース」の代表取締役・中村大介氏が、外国人労働者の実態を綴った『日本人が知らない 外国人労働者のひみつ』(白夜書房)より、外国人の高い自己肯定感のデメリットをお届けする。(同書より一部抜粋して再構成)【全4回の第3回。第2回を読む】

 * * *
 外国人材に接していて、国籍ごとの文化の違いではなく、共通して感じるのは自己肯定感の高さだ。

 これはもう、圧倒的に高い。国籍によらず、めちゃめちゃに愛されてポジティブな言葉だけを受けて育ってきたタイプ。

 わかりやすい例を挙げると、日本人が「私、泳げます」と言ったとする。その人は25メートルは泳げるんだろうなと考えて間違いない。

 外国人の場合、たとえ5メートルしか泳げなくても自信満々に「私、泳げます」と言う。いや、3メートルでも言う。この感覚で、仕事上のスキルについても「できます」と断言してくる。

 外国人材と日本企業のマッチングをするときに気をつけないといけないのはここだ。「この仕事できます?」と聞かれて、求職者は3メートルレベルでも「できます」と自信満々で答える。

 採用側は「できる、というのなら最低でも25メートルレベルではあるだろう」と日本人の奥ゆかしさを基準にして思い込む。仕事を始めてみるとまったく使いものにならない、ということになる。

 レストランの調理スタッフとして採用されたある外国人はその極端な例だった。

「料理はできます」と言うにとどまらず、「おたくの料理長よりも僕のほうが料理はうまいですよ」的なことまで言っていたのである。働きはじめたら、普通に下手な料理人だった。鼻っ柱を折られた彼は、3日で退職した。

 こういうことがあるから、スキル確認は徹底的に、具体的にやる必要がある。

 外国人材の自己肯定感が一番良くない出方をするのは、何かトラブルが起きたときだ。

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン