国際情報

《怒鳴り合い会談を臨床心理士が分析》ゼレンスキー大統領の仕草に見る感情の起伏 「腕組み」はバンス副大統領の発言でどう変化したのか?

腕組みをするウクライナのゼレンスキー大統領(左)と尖頭のポーズを見せる米トランプ大統領(CNP/時事通信フォト)

腕組みをするウクライナのゼレンスキー大統領(左)と尖頭のポーズを見せる米トランプ大統領(CNP/時事通信フォト)

 ウクライナのゼレンスキー大統領と、米国のトランプ大統領による停戦を目指した2月28日の会談が怒鳴り合いで決裂するとは誰も想像していなかっただろう。臨床心理士の岡村美奈さんが、世界中にニュース映像として公開された「怒鳴り合い会談」で見せた手と指の動きについて分析する。

 * * *
 これまで誰も見たことがなかった首脳同士の激しい応酬は、世界中に衝撃を与えた。米国のトランプ大統領が会見最後、記者団に対して「もう十分見ただろう。素晴らしいテレビ(ショー)だった」とコメントしたように、前代未聞のテレビショーだった。そしてもう1つ、首脳同士の会談の席上、なかなか珍しいと思ったものがある。ウクライナのゼレンスキー大統領がトランプ氏の前で見せた腕組みだ。

 脇の下に両手を差し込んだこの腕組み、似たような仕草をどこかで見たような…。思い出したのは『グランメゾン東京』(TBS系)で主演の尾花夏樹を演じていた木村拓哉さんの仕草だ。問題にぶち当たると、木村さん演じる尾花もゼレンスキー氏のように両手を脇の下に差し込む腕組みをしていた。だが違う所が1つある。尾花は親指だけをのぞかせて腕組みをしていたのだ。この仕草は、自分は冷静で物事をコントロールできる、コントロールできるはずだと思っている時に出やすいといわれる。しかし、ゼレンスキー氏の親指は隠れてしまっていた。

 トランプ氏とゼレンスキー氏は2人とも、仕草が豊富で心の内を読み取りやすいといえる。会見開始からトランプ氏は、いつものように両手を少し広げて左右の指先を合わせる“尖頭のポーズ”を見せた。ジョー・ナヴァロ氏の著書『FBI捜査官が教える「しぐさ」の実践解読事典407』によると、これは周囲に自信を示す仕草で、指導的立場の人が取ることが多い。自分の意見が正しいと信じ、自分の言うことをどれだけ強く約束できるかを相手に納得させたい時に役に立つ仕草だという。自己肯定感が強い自信家が大統領に返り咲いたのだ。この仕草が相手に与える印象も以前より強くなるだろう。

 それに対してゼレンスキー氏は両手の指を組み、その指を頻繁に動かした。両手を組むのは自分を落ち着かせる仕草だといわれる。初めて会うトランプ氏に対し不安や心配があったのだろう。組まれた指は彼の感情の動きをそのまま表していたようだ。トランプ氏がロシアのプーチン大統領に肩入れするような話をした時などは、その指がせわしなく動いただけでなく、力が入り色を失っていった。

関連記事

トピックス

大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン