中国で「AI関連技術者の獲得競争」が激化(写真:イメージマート)
中国ではAI(人工知能)搭載の人型ロボット産業が急速に発展するにつれて、企業によるAI関連技術者の獲得競争が激化。公務員の平均年収の7.5倍となる96万元(約1968万円)という破格の条件を提示する募集もあるという。中国共産党機関紙「人民日報」が報じた。
中国においてAI搭載人型ロボットの開発を担っているのは、主に北京、天津、上海、重慶、蘇州といった、中国政府が承認した各地の「国家ハイテク産業開発区」だ。ハイテク企業が集中しているその開発区が、人型ロボットの開発拠点となっている。
特に、北京市の「中関村サイエンスパーク」は1988年に中国初の国家ハイテク産業開発区に指定され、「中国のシリコンバレー」とも呼ばれている。人型ロボット製造関連の企業や大学の研究機関などが数多く集積している。
そのなかの一つ、北京加速進化科技有限公司の創業者である程昊・最高経営責任者(CEO)は、「人型のロボットを開発するために必要な全ての分野で、人材が非常に不足している。当社では機械や電気、モーションコントロール、外部環境認識・行動決定関連の人材を必要としている」と人材獲得に高い意欲を示している。
今年2月に入ってからは、宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)や中国のアリババグループの関連会社アントグループといった多くの大手企業が人材募集情報を発表しており、技術者の給料が軒並み高騰している。
募集職種は人型ロボット関連のハードウェアエンジニア、及び各種の問題を解決する手順や計算を行う「アルゴリズムエンジニア」などで、「中関村サイエンスパーク」で最近行われた就職説明会には延べ10万人以上が集まり、活況を呈した。
提示されている月給額は1万~8万元(約20万5000円~約164万円)と幅があるが、高度人材の場合、入社後、月給8万元をすぐに超えることもざらだという。