国内

《既婚者が陥るマッチングアプリの沼》50代女性が“海外育ちパイロット男性”に騙され、“女性として扱われたい”妻が年下男性にハマる…トラブルに発展するケースも

既婚者がハマるケースも多いという(写真:イメージマート)

既婚者がハマるケースも多いという(写真:イメージマート)

 マッチングアプリといえば、独身者が恋人やパートナーを求めて使うものというイメージがあるが、実は40代後半から50代のミドル世代の既婚者が利用するケースもある。ひとときの割り切った関係ではなく、のめり込み過ぎた結果、現実を捨てようとする人やトラブルに巻き込まれる人もいるようだ。

 精神科医の香山リカ氏がマッチングアプリのメリット・デメリットや利用者の実態を綴った『マッチングアプリ依存症』(内外出版社)より、既婚者がハマるマッチングアプリ事情をお届けする。(同書より一部抜粋して再構成)【全4回の第3回。第2回を読む】

 * * *
「マッチングアプリを使うのは20~30代ばかり」と思っていましたが、意外と多いのが40代後半から50代のミドル世代。既婚者もけっこう多いと聞きます。

 実際に会ったり食事に行ったりして交際につながる人もいますが、結果的にお金を巻き上げられてしまうという悲しいケースも耳にしました。

 私の古くからの知り合いである50代の女性もその1人。すらりと高い身長に整った顔立ちで、40代と言っても通りそうな人でした。既婚者で子育ても終わり、夫とはマンネリ。そんなときに「軽い気持ちでマッチングアプリをはじめてみた」と話してくれました。

「こんなおばさんにも『いいね』してくれる人がいてびっくりした」

 すっかりうれしくなった彼女は、やがて1人の「パイロット」と名乗る男性と出会います。その人は海外育ちだそうで、他の男性たちとは違い、最初から「なんてステキな人なんだ」「フリージアのように清楚でもある」などのほめ言葉を浴びせかけてきたそうです。そのうち彼は「今の会社をやめてパイロットのベンチャービジネスを立ち上げたい。あなたと、ビジネスや人生のパートナーとしてやっていきたい」と言い、立ち上げの資金と言われて送金を繰り返してしまいました。

「え、これって何かおかしいかも」と思う頃には、相手はアプリを退会していたそうです。

 もちろんこれは詐欺なのですが、自分も既婚者でアプリを使っていた手前、夫はもちろんのこと、アプリの運営会社にも相談できない。「警察に行った方が」と言いましたが、首を横に振るばかりでした。

 女性でも男性でも、こういった被害者になった人は少なからずいるようです。恋愛や結婚をチラつかせてお金を奪う、これは「ロマンス詐欺」と呼ばれますが、これと同じ手法がマッチングアプリでもあるのかと思うと、憂鬱な気持ちになります。

 冷静に考えてみれば、パイロットがアプリに登録している可能性は高くないはずなのに、現実とは違い「そんなわけないでしょう」と言ってくれる人もおらず、「もしかしたら私もいまの夫と離婚して、この人とすばらしい人生を歩めるかも」と夢を見させられてしまう。それもまた、アプリの閉鎖性が関係しているのかもしれません。

 こういった例はSNSなどでも横行しているようですが、いずれにしても「もしかしたら」という幻想につけ込む闇だと思っています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン
オリエンタルラジオの藤森慎吾
《オリラジ・藤森慎吾が結婚相手を披露》かつてはハイレグ姿でグラビアデビューの新妻、ふたりを結んだ「美ボディ」と「健康志向」
NEWSポストセブン
川崎、阿部、浅井、小林
〈トリプルボギー不倫騒動〉渦中のプロ2人が“復活劇”も最終日にあわやのニアミス
NEWSポストセブン
別居が報じられた長渕剛と志穂美悦子
《長渕剛が妻・志穂美悦子と別居報道》清水美砂、国生さゆり、冨永愛…親密報道された女性3人の“共通点”「長渕と離れた後、それぞれの分野で成功を収めている」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《母が趣里のお腹に優しい眼差しを向けて》元キャンディーズ・伊藤蘭の“変わらぬ母の愛” 母のコンサートでは「不仲とか書かれてますけど、ウソです!(笑)」と宣言
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《お出かけスリーショット》小室眞子さんが赤ちゃんを抱えて“ママの顔”「五感を刺激するモンテッソーリ式ベビーグッズ」に育児の覚悟、夫婦で「成年式」を辞退
NEWSポストセブン
負担の多い二刀流を支える真美子さん
《水着の真美子さんと自宅プールで》大谷翔平を支える「家族の徹底サポート」、妻が愛娘のベビーカーを押して観戦…インタビューで語っていた「幸せを感じる瞬間」
NEWSポストセブン
24時間テレビで共演する浜辺美波と永瀬廉(公式サイトより)
《お泊り報道で話題》24時間テレビで共演永瀬廉との“距離感”に注目集まる…浜辺美波が放送前日に投稿していた“配慮の一文”
NEWSポストセブン