大屋根リングの柱に黒い虫が大量発生(写真/読者提供)
「水中にいたユスリカのサナギたちが、ちょうど一斉に羽化したのでしょう。飛ぶ力は弱いので、ユスリカたちは、万博の会場の中で繁殖、産卵、羽化を繰り返すと思われます。会期中にまた大量発生が起きる可能性はあります。
成虫寿命が数日ということもあり、一度羽化してしまったユスリカを早期に駆除することは現実的ではありません。 ユスリカの発生を防ぐために、発生源である水に対して“汚れを除去する”といった施策を取ることはできます」
X上では、〈展示物に虫がたかっていた〉との投稿もあり、展示物の汚損に繋がるのではないかとも危惧されている。しかし、高橋氏によると、その点については心配無用だという。
「繁殖のためだけに羽化するような虫なので、ユスリカの成虫はエサを食べず、口や消化器そのものが退化しています。なので、展示物をかじるといった点については心配しなくて大丈夫です。また、血を吸ったりもしません。ただ、ユスリカを捕食しにクモがやってきた結果、クモの巣やフンが出てくるという二次的な汚損の可能性は考えられます」(前出・高橋氏)
展示物の汚損など今すぐ直接的な被害に繋がるではないというが、やはり気持ちいいものではない。これから気温がますます上昇していくなかで、虫問題は解決するのか。