「春先からは心機一転、新しいことにもチャレンジしています」
高校時代はバレーボール部
セッターとブロッカーの駆け引きも見逃せません。攻撃の司令塔のセッターは、レシーブが上がってきた一瞬で相手のコートのブロッカーの位置を見て、どこにトスを出すか決めます。相手ブロッカーは、このセッターはこういう状況でこの人に託す傾向がある、この攻撃が来る確率が高い……などと、事前にわかっていれば対応してきます。
ローテーションごとに様々なバリエーションがあり、裏をかいたり、ブロッカーを振り払ったり、ネット越しで様々な駆け引きをしています。今年のSVリーグで私が思わずかっこいいと思ったのは、2月9日に行われたウルフドッグス名古屋vsサントリーサンバーズ大阪で、POM(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)を獲得した深津英臣選手のプレーです。
私はこの試合を会場で観戦していたのですが、4セット目は激しいサーブの応酬と、深津選手がニミル選手にトスをあげてスパイクで得点することが続きました。デュースにもつれこみ、あと1点を取ればウルフドッグスの勝利という場面。ここまで深津選手はニミルにかなりの本数をあげてきているから、私は最後もニミルに託すだろうと思っていました。
しかし、そこで深津選手がトスを上げたのはニミル選手とは逆側のレフトの選手。サントリーもニミルを意識していたからブロックが遅れてしまい、スパイクが決まりました。あと1点で勝利という場面で逆にトスをあげる、私も「うわー騙された!」と唸ってしまいました。
私も高校時代バレー部でしたが、ポジションはベンチ。プレーは苦手で、スコアを書いたり、ドリンクを作ったりしているほうが性に合っていました。ですが、女子のSVリーグを観戦したら、なんだか私もバレーをまたやりたい! と思うように。
男子の試合は球速もレベルも高すぎて、自分がやりたいという感情にはならなかったのですが、女子の試合は戦術としても真似できるかもと思えるところもたくさんあり、勉強になります。また、会場の雰囲気も男子とは少し違って、アットホームであたたかい空間! 自然と自分もバレーをやってみたいと思える場所です。
最近10年ぶりにボールを買って、家の中でアンダーやオーバーの練習をしています。今年の目標はバレーの始球式をやること! その日までにサーブをまたちゃんと打てるように練習します!! みなさんもぜひ来シーズンのSVリーグ、男女問わず会場へ足を運んでみてください。
【プロフィール】
渡邊渚(わたなべ・なぎさ)/1997年生まれ、新潟県出身。2020年に慶大卒業後、フジテレビ入社。『めざましテレビ』『もしもツアーズ』など人気番組を担当するも、2023年に体調不良で休業。2024年8月末で同局を退社した。今後はフリーで活動していく。1月29日に初のフォトエッセイ『透明を満たす』を発売。6月には写真集『地平線』(集英社刊)も刊行予定。渡邊渚アナの連載エッセイ「ひたむきに咲く」は「NEWSポストセブン」より隔週で配信していきます。