人気と実力を兼ねたトップ俳優だった(SNSより)
被害少女の母親の慟哭
結局、5月19日、シンガポール地裁はファン被告に懲役3年4か月の実刑判決を下した。一方、シンガポール刑法で定める“むち打ち刑”の適用は見送られた。被害者は15歳だったが、もし14歳未満であれば、強姦罪で懲役8~20年、さらに少なくとも12回のむち打ち刑が科されていた可能性があった。
「彼女の初めての相手は、本当に彼女を愛してくれる人であるべきだった。彼のような人ではない。彼は捕食者。羊の皮をかぶった狼だ」
被害者の母親は、ファン被告への怒りをこう語っている。刑事訴訟の判決に対しても母親は納得しておらず、「彼を破産させるまで訴える」と民事訴訟も辞さない構えだ。
判決を下した裁判長は、「被告人は被害者の純真さと感情的脆弱性を利用した」と断罪。ファン被告は現在、約330万円の保釈金を支払い、6月16日から服役予定となっている。
シンガポール社会に大きな波紋を広げた元人気俳優の転落劇。少女の心に刻まれた傷は癒えることなく、母親の怒りもまた、消えることはない。