自民党・森山幹事長の国政報告会で会合であいさつする野村哲郎元農林水産相=5月31日、鹿児島県曽於市(時事通信フォト)

自民党・森山幹事長の国政報告会で会合であいさつする野村哲郎元農林水産相=5月31日、鹿児島県曽於市(時事通信フォト)

 彼らがものを言えばいうほど、自民党の体質は古い、農水族と呼ばれるような政治家たちのやり方や考え方は時代に合っていないということを、広く国民に向けてアピールするだけだ。自分たちの立場や評判が悪くなる「ブーメラン効果」に陥っているということに、ご本人たちは気がつかないらしい。

 “大臣が変わればこんなに変わるのか”“政府だってやればできるではないか”などの声があちこちから聞こえてくる。そんな声は野村氏の耳には入らなかったのか、聞きたくなかったのか。国政報告会ではさらに「森山先生なんかに相談に来ていないと思う。終わりましたら、森山先生からチクリとやっていただかないと、今後が心配」とも言っていた。森山幹事長の顔を立てるつもりだったのだろうか。それとも会場へのリップサービスなのか。ネットで報じられた情報によると、他の場所でも似たような発言をしていたらしい。会場の笑いを誘うかもしれないが、メディアで報じられ本人の評判は落ちていく。

 小泉農水相は1日、野村氏の発言に対して「農林部会長だったのでルールは存じ上げているつもり」と発言。さらに「大臣がやることなすこと1つ1つ党に諮らなければいけないと言ったら、誰が大臣になったってスピード感を持って大胆な判断はできない」と反論。備蓄米が売り出された絶妙のタイミングで誰が聞いてももっともだと思える反論ができたのは、野村氏のおかげだろう。

 そういえば江藤氏の失言があったからこそ、小泉氏は活躍の場を得たことになる。江藤前大臣は自らの失言で小泉氏抜擢につなげ、野村元大臣は批判や皮肉で小泉氏の株をあげていく。農水大臣経験者らの連携とバックアップはさすが、たいしたものだ。

森山裕(時事通信フォト)

自民党の森山幹事長(時事通信フォト)

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