意外な可愛いペットが防犯に役立つことも(イメージ)
そう話すA氏に、リフォーム詐欺に合わないための対策を聞いた。
「いきなりやってきた業者には取り合わないことだ。リフォームが必要と言われたら、家に関わる業者に一度、相談する」。家族や隣近所、友人知人にいい業者を知らないか聞くのが一番だが、ツテがないこともある。
「リフォーム費用は安くない。高額の金がかかっていると思えば、町の電気屋でも、近所に古くからある不動産屋でも構わないから、どこかに相談してみることだ。田舎にいけばいくほど、家に関わる業者はみんなつながりを持っている。そこを紹介してもらうのがいい」と、A氏はいう。
「あとは」と続けると、A氏は意外な策を話した。
「犬を飼うのもいい。泥棒避けに犬を飼うというのは誰でも知っているが、リフォーム詐欺師も犬はいやだ。玄関先でキャンキャン吠えられたら、周りの家に不審がられるし目立つ。家の中で作業をしていても、ずっと犬が鳴いていれば、あそこの家で何をやっているんだろうと周りの住人が注意を向ける。
オレの住む地域でも、一時期、爺さん婆さんを騙すリフォーム詐欺が増えた。だけど玄関ベルのピンポーンに犬が反応してワンワン鳴くと、家人も落ち着いて話をしてられないから、ヤツらは退散していくことが多かったんだよ」
こんな例もあったとA氏が話したのは、ポメラニアンの鳴き声だ。可愛い姿の小型犬だが、鳴き声はかん高く、よく響く。ある家では、鳴らされたチャイムに反応し、家の2階に家人と一緒にいたポメラニアンがキャンキャン鳴き叫んだ。家人が窓から玄関先を見ると、作業服姿の男が立っていた。だが犬の鳴き声に反応した男は、家人が下に降りていく前に玄関を離れていったという。その時期、近隣では、同じような作業着を着て玄関ベルを鳴らすリフォーム詐欺が増えていたという。
「犬は案外、詐欺師除けにもなるんだよ。飼うのが難しいなら、怪しい業者が来た時に鳴き声の音声を流すだけでも効果的かもしれない。オレには流してほしくないね」と、欠けた前歯を見せてA氏がニヤリと笑った。