リフォームが本当に必要なのか戸惑っているうちに話を進めてはいけない(イメージ)
警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、自宅訪問するリフォーム詐欺の意外な撃退法について。
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関東の田舎で、60代のあるリフォーム業者A氏からこんな話を聞いた。若い頃から自分で建築会社を創業し、十数人の職人を抱えてきたというA氏は、仕事の腕は確かだが、「ヤクザを彷彿とさせるようないかつい風貌で損をしている」という。
大柄で恰幅が良く、浅黒く強面の顔、シニアになってから日差しがまぶしいとかけているサングラスは、昭和の時代の刑事ドラマで出てくるような代物だ。にやりと笑うと欠けた前歯が見え、少し不気味な感じがする。履き古したデニムに着古した洗いざらしのシャツを着て、ポケットのついたベストを羽織っている。本人はヤクザに見えるようだというが、昭和の時代を彷彿とさせる田舎の建設業者のオジサンといったところだ。自分も仲間も高齢になり、家などの建築から、内装などのリフォームを専門に請け負うようになった。ところが営業に行くと、その風貌が問題になるらしい。
「地域に広くチラシをまくでしょ。それを見たお客からリフォーム依頼の電話がかかってくると、営業に出向くわけだ。すると玄関先でオレの顔を見た途端、リフォーム詐欺が来たと思われるんだよね」とA氏。
「こんな顔だしさ、腹は出てるし、格好悪いし、うさん臭いと思われるのはいつものことなんだよ」というが、今までは仕事が本当にできるのか、業者として信用できるのかという目で見られていたのが、リフォーム詐欺の被害が全国的に広がっていることで、詐欺師に間違われるのだという。
「リフォーム詐欺の連中は、わざわざヤクザみたいなヤツを営業になんて出さないよ。だけどさ、お客は見た目で判断する」と、不器用に笑うと、欠けた前歯が目立ってうさん臭さが増してくる。「この人で大丈夫か? ヤバいんじゃないか、騙されんじゃないかと思われて、玄関先で断られることもある」という。
家に関わる業者に相談
“屋根が壊れているのを、向こうの作業中見た”と言ってくる詐欺師も、”家の点検を無料で行います”と訪問してくる詐欺師も、キレイな作業服を着た若くてスラリとした好青年が多いと聞く。悪い第一印象を与えてしまえばそこで終わる。玄関のドアを閉められないよう、まずは好印象を与え警戒心を解くのが詐欺師だ。そしていきなり”壊れている””このままでは雨漏りする””次に地震が来たら大変だ”と驚かせて冷静さを失わせる。「見た目が爽やかな好青年はリフォームは素人だが、詐欺はプロ。長年住んでいるから傷んでいるのかもと客が戸惑っているうちに、細かな説明もなく話を進める」(A氏)。