「春先からは心機一転、新しいことにもチャレンジしています」

写真集で「過去の自分すらも超えるものを作れた」と語った渡邊さん

「新しい自分と出会えた」

 撮影は、まだ終わらないでほしいと思うくらいとっても楽しい旅になりました。私にはまだこんなに笑う力があって、楽しいと思えることがあったのだと気づくことができて、本当に幸せな時間でした。クッド島は観光客も少なく、写真を撮られ慣れていない私にとっては、ギャラリーもいなくてリラックスできました。

 初めて挑戦することもあったので、戸惑うこともありましたが、スタッフの皆さんが細かくポーズや見せ方を教えてくださって、新しい自分と出会えた気がしました。こんなに自分らしく楽しく過ごせたのは、共に旅をしてくださったスタッフの皆様のおかげです。頑張って生きていてよかったな~と心の底から思いました。

 クッド島で一番印象に残っているのは、“水平線”です。砂浜は白く、青空の光を反射し、透明な海と一体化しているような景色でした。水平線には遮るものもなく、汚れていない綺麗な海に、自分自身が受け入れられたような気持ちになりました。海・陸・空が区別されないその美しい水平線に、これからの未来への希望を込めて、『水平線』というタイトルをつけました。(他にもいろんな意味を込めたのですが、そこはみなさんの想像にお任せします笑)

 病気になった2年前を振り返ると、当時は生ける屍状態でした。鏡にはボロボロになった皮膚や痩せ細ったガリガリの身体が映って、自分が自分じゃなくなったかのように思えて絶望しました。うまく歩くことも食べることもできない日々が続いて、私には何の価値もなく、笑顔で過ごせる未来なんて絶対に来ないと思っていました。

 だから、完成した『水平線』を手にした時、カメラの前に再び立ち、過去の自分すらも超えるものを作れて、簡単には言い表せない不思議な気持ちになりました。2年前の自分からは到底想像もできなかった未来が待っていました。

 どんなに理不尽なことを経験したとしても、明るい未来が必ずやってくることを、自分の姿を通じて伝えたいと常日頃から思ってます。写真集『水平線』が、見てくださった方々にとって、どんなに辛くて苦しくても明けない夜はないという希望を見出せる作品になれば嬉しいです。

【プロフィール】

渡邊渚(わたなべ・なぎさ)/1997年生まれ、新潟県出身。2020年に慶大卒業後、フジテレビ入社。『めざましテレビ』『もしもツアーズ』など人気番組を担当するも、2023年に体調不良で休業。2024年8月末で同局を退社した。今後はフリーで活動していく。1月29日に初のフォトエッセイ『透明を満たす』を発売。6月25日、自身初の写真集『水平線』(集英社刊)が発売された。渡邊渚アナの連載エッセイ「ひたむきに咲く」は「NEWSポストセブン」より隔週で配信中。

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