閉店に追い込まれたあ店もある(イメージ)

閉店に追い込まれたあ店もある(イメージ)

ネットで「外国人差別」と非難

 注目されてしまったことで商売がやりづらくなった、商売をやめざるをえなくなったという例は、決して多くはないものの、あちこちに存在している。関西地方で複数のレストランを営む事業家の男性(40代)が訴える。

「海外向けのメディアで紹介されたことがきっかけになり、インバウンドのお客様が毎日、ひっきりなしにいらっしゃるようになった。大変ありがたい話で、最初は本当に喜んでいたんです。しかし、当店は規模も小さく、英語など外国語を出来るスタッフも少ない。例えば、お電話していただいても、相手が英語しかお話にならないお客様であれば、やりとりが出来なかった。ですので、店長の判断で”日本語オンリー”という張り紙を貼った。すると、とある地方議員がやってきて、張り紙の写真を勝手に撮ってネットにあげた。うちが、外国人差別をしたと言うんです」(事業家の男性)

 店のSNSに突如、見ず知らずの人たちから「差別主義者」などといった誹謗中傷のメールや書き込みが寄せられたことで、事態に気がついたという男性。もちろん、本人には「差別」の意図など全くなかったと弁明する。

「外国の方にたくさん来てもらうのはいいんですが、スタッフも少ないし、言語の壁もあり対応できない。その上で苦渋の決断だったんです。外国のお客さんに対応すると、他の日本人の客さんの対応が出来ない、商売にならない、というだけなんです。議員さんは、だったら外国人のスタッフを置くべきと仰いますが、そのお金を出すわけでもなく、ただ言うだけ。説明してもらちがあかず、さらに攻撃されそうだったんで、謝罪の張り紙出して、お店のHPやSNSを全部閉じました。差別だと一方的に糾弾されて、店を閉めざるをえなくなった飲食店もあるようだったので、同じ目に遭ってはたまらないと思いました」(事業家の男性)

 以前にはなかったグルメサイトやSNSに翻弄される、リアルの客とのコミュニケーションによって商売を続けてきた店主たち。いくら本人が誠実に商売をしていようと、地域で愛される店であろうと、これまでは予想だにしなかった形で規模縮小や終了を余儀なくされることもある。ネットにグルメサイトが誕生したときに期待されたこととかけ離れた現実になってしまった。

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