デフサッカー男子日本代表が異例の活動中止に…(時事通信フォト)

デフサッカー男子日本代表が異例の活動中止に…(4月2日の親善試合。時事通信フォト)

過去にもボイコット騒動が

 この「ボイコット騒動」をきっかけに多くの関係者を取材すると、デフサッカーをめぐる過去の問題も次々と明らかになった。別の関係者が言う。

「ろう者サッカー協会には、これまでにも健全な運営とは言えないところがありました。そもそもデフサッカーは、マイナースポーツゆえ資金不足に悩み、練習環境はもちろん、備品やユニフォームなども決して充分でない状況で活動してきました。

 前代表監督の植松隼人さんは、少しでも選手らの環境を良くしようと備品購入や遠征補助の意見書を協会に提出しました。W杯での初の銀メダル獲得という快挙を成し遂げたあとのタイミングでした。

 また、選手が講演会などに登壇した際、協会を通すと謝礼は選手に支払われないといった慣例にも、疑念を抱く人がいました。中には、そういったお金が、“協会幹部の私的な遊興費に流用されている”との指摘もあった。そんな状況を受け、植松前監督の意見書には《運営費用について明朗にすること》といった内容も含まれていました」

 ところが直後、協会は植松前監督に一方的に契約終了を突き付けた。

「植松前監督は自身もろう者で、デフサッカーを知り尽くした指導者として選手からも信頼されていたのに。どうやら“監督風情が協会に意見するなどけしからん”というようなことだったようです」(前出・別の関係者)

 身を挺して選手のために動いた植松前監督の退任に対し、選手たちが協会あてに意見書を提出するという事態にまで発展した。その際もボイコット騒動があったという。

「2024年2月に、佐賀県嬉野市で行われた代表合宿には、前年W杯で活躍した主力選手は軒並み参加せず、わずか6人でしかも“代表外”の選手が参加しました。合宿が終わった後、植松前監督は開催地の嬉野市に謝罪に出向いたそうです」(前出・別の関係者)

 昨年4月12日、植松前監督は自身のSNSで代表監督退任を動画で報告した。

「選手環境を良くしていくべき。その意見書も出しました。それに対する回答書もなく、急に契約満了の通達の連絡をもらいました。これが大きなきっかけ、発端になりました。協会の人間と円滑なコミュニケーションができないのであれば、(続けるのは)難しいという判断をしました」

 植松前監督は多くを語らなかったものの、その表情には忸怩たる思いが滲んでいた。

関連記事

トピックス

参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
「結婚前から領収書に同じマンション名が…」「今でいう匂わせ」参政党・さや氏と年上音楽家夫の“蜜月”と “熱烈プロデュース”《地元ライブハウス関係者が証言》
NEWSポストセブン
7月6~13日にモンゴルを訪問された天皇皇后両陛下(時事通信フォト)
《国会議員がそこに立っちゃダメだろ》天皇皇后両陛下「モンゴルご訪問」渦中に河野太郎氏があり得ない行動を連発 雅子さまに向けてフラッシュライトも
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、経世論研究所の三橋貴明所長(時事通信フォト)
参政党・さや氏が“メガネ”でアピールする経済評論家への“信頼”「さやさんは見目麗しいけど、頭の中が『三橋貴明』だからね!」《三橋氏は抗議デモ女性に体当たりも》
NEWSポストセブン
かりゆしウェアをお召しになる愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《那須ご静養で再び》愛子さま、ブルーのかりゆしワンピースで見せた透明感 沖縄でお召しになった時との共通点 
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏(共同通信)
《“保守サーの姫”は既婚者だった》参政党・さや氏、好きな男性のタイプは「便利な人」…結婚相手は自身をプロデュースした大物音楽家
NEWSポストセブン
松嶋菜々子と反町隆史
《“夫婦仲がいい”と周囲にのろける》松嶋菜々子と反町隆史、化粧品が売れに売れてCM再共演「円満の秘訣は距離感」 結婚24年で起きた変化
NEWSポストセブン
注目度が上昇中のTBS・山形純菜アナ(インスタグラムより)
《注目度急上昇中》“ミス実践グランプリ”TBS山形純菜アナ、過度なリアクションや“顔芸”はなし、それでも局内外で抜群の評価受ける理由 和田アキ子も“やまがっちゃん”と信頼
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
《実は既婚者》参政党・さや氏、“スカートのサンタ服”で22歳年上の音楽家と開催したコンサートに男性ファン「あれは公開イチャイチャだったのか…」【本名・塩入清香と発表】
NEWSポストセブン
中居、国分の騒動によりテレビ業界も変わりつつある
《独自》「ハラスメント行為を見たことがありますか」大物タレントAの行為をキー局が水面下でアンケート調査…収録現場で「それは違うだろ」と怒声 若手スタッフは「行きたくない」【国分太一騒動の余波】
NEWSポストセブン
かりゆしウェアのリンクコーデをされる天皇ご一家(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《売れ筋ランキングで1位&2位に》天皇ご一家、那須ご静養でかりゆしウェアのリンクコーデ 雅子さまはテッポウユリ柄の9900円シャツで上品な装いに 
NEWSポストセブン
定年後はどうする?(写真は番組ホームページより)
「マスメディアの“本音”が集約されているよね」フィフィ氏、玉川徹氏の「SNSのショート動画を見て投票している」発言に“違和感”【参院選を終えて】
NEWSポストセブン
スカウトは学校教員の“業務”に(時事通信フォト)
《“勧誘”は“業務”》高校野球の最新潮流「スカウト担当教員」という仕事 授業を受け持ちつつ“逸材”を求めて全国を奔走
週刊ポスト