遠野の寝室。ここ数年はリビングで寝ていたという(本人のブログより)
棺の中に納めてあげられれば
遠野さんと思われる遺体が見つかってから数日が過ぎた7月中旬。取材班が都内にある彼女が暮らした自宅マンションを訪れると、その郵便ポストは、手紙で溢れかえっていた。同じマンションの住民が静かに語る。
「このマンションは人の入れ替わりも多く、近所付き合いは希薄です。遠野さんの郵便ポストはテープなどで閉じられておらず、郵便物が溜まっている状態です」
前出の前事務所の関係者は、その光景に胸を痛めながらも、以下のように明かした。
「本当なら、どなたかが受け取って、せめてお棺の中に納めてあげられたら良かったのかもしれませんね……。ですが、その思いはきっと、彼女に届いていると信じたい。彼女は初対面の相手には非常に優しく、サービス精神に溢れる人でしたが、一方で、親しくなるほどに心の距離感に悩んでしまう繊細さも持ち合わせていました。
だからこそ、顔を合わせることなく、自分のペースで心の内を綴れる手紙というツールが、彼女にとってはファンと心を通わせる上で、最も心地よい“ちょうどいい距離感”だったのではないでしょうか」
手紙を通して最後までファンとの交流を続けた遠野さん。ご冥福をお祈りします。