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《襲われる被害が多発》クマに悩まされる養蜂家たちが告白 「今年はあきらめるしかない…」「槍を作って山に入るヤツもいる」

本州に生息するツキノワグマ。体長120~180センチほど。最近では獣害の被害が増えている(イメージ)

本州に生息するツキノワグマ。体長120~180センチほど。最近では獣害の被害が増えている(イメージ)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、増加するクマの出没に悩まされる養蜂を営む人たちについて。

 * * *
「今年は庭に巣箱を持ってくるのが怖い」。そう語るのは栃木県那須塩原市の自宅の庭で毎年、趣味で養蜂を行っている男性だ。天皇ご一家が夏に静養される那須の御用邸があるこの地は自然が豊かで、副業や趣味で養蜂を行う地元住民らがいる。

 彼らが巣箱で育てているのは日本ミツバチ、日本古来の在来種だ。日本ミツバチが集める蜂蜜は百花蜜と呼ばれ、その時期に咲く複数の花の蜜からなる。複雑な味の蜜は琥珀色でコクがあるが甘すぎず、さらりとして食べやすい。環境の変化や刺激にとても敏感な日本ミツバチは管理が難しく、一度巣箱に入っても、環境等の変化があればその巣箱を捨て、他の棲家に移動するという習性がある。以前、『ザ!鉄腕!ダッシュ!!』(日本テレビ系)で日本ミツバチの養蜂にトライするプロジェクトが行われたとき、巣箱を車で新宿の設置予定地まで運ぶ際、振動などに細心の注意を払っていたのを思い出した。採蜜量は少なく、採取できるのも年に1回程度のため、その蜂蜜は高価だ。

 那須で日本ミツバチの養蜂を行う人は、持っている巣箱に蜂を導入するため、繁殖期に蜂がいそうな場所を選んで巣箱を置くことが多いと男性はいう。緑の多い地域に住んでいるなら庭先に置けるが、住宅街や道路が近ければ静かな林の中などに置き、女王蜂が入るのを待つ。男性も毎年、親戚や友人などが所有する林の中に巣箱を置き、女王蜂が入って巣をつくり始めた初夏に、管理ができる自宅の庭などに慎重に巣箱を移動させるという。だが今年、それを阻むモノがいる。

「庭に置いたらクマが出るかもしれない」。男性は巣箱の移動をためらっている。那須塩原市や那須地域では6月末からクマの目撃情報が多発。人がクマに襲われ重軽傷を負うという被害も相次いでいる。6月30日には、那須塩原市埼玉の住宅敷地内で高齢男性がクマに襲われ、後頭部や首をかまれた重傷を負った。報じられたニュース映像を見ると、庭先に置かれた蜂の巣箱が映り込んでいた。

 被害現場からほど近い場所に住む男性も、数年枚、庭先に置いていた巣箱をクマにやられた。

「埼玉では巣箱が壊されていなかったが、オレの所では巣箱が2つともぐっしゃりとクマにつぶされ、中の蜂蜜が食べられていた。クマは蜂蜜の匂いを数キロ先からかぎ分けてやってくる。今年も林に置いた巣箱に女王蜂が入ったが、一度食べて味を占めているクマが、匂いにつられてやってきたら来たらと思うと…今年はあきらめるしかない」(男性)。

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