ニホンミツバチの養蜂(写真提供/イメージマート)
クマの生態が変わったのか、クマに聞いてみたい
養蜂を行う仲間うちでは、ここ数年でクマに巣箱を荒らされたという者もおり、「みんなクマを警戒している。山や林に入っていく時のために、槍のような武器を作って持参するヤツもいる」という。
7月6日は那須塩原市塩原地区の自宅裏の山間部で高齢男性がクマに襲われた。被害者を知る男性は「イテぇと振り向いたらそこにクマがいて、尻を食われた。こらーっと大声を出したら逃げた」と言っていたという。その後も目撃情報は絶えず、那須塩原市の公式HPにある「クマ出没・被害情報マップ」には、出没地点を示すクママークが増えている。
山間部ならまだしも小学校周辺や住宅街にまで出没しているクマに、「山から住宅地へ下りてきているだけでなく、熊川や蛇尾川(さびかわ)を通っているのではないか」と男性は推測する。「オレの家の側には熊川がある。名前の由来はわからないが、熊川というくらいだ。昔から熊がこの川を通っていたに違いない」。
熊川は伏流河川と呼ばれる水無川だ。大雨がゲリラ豪雨にならない限り、常に川底が見えている。那須の地に広がる「那須野が原」は那珂川、熊川、蛇尾川、箒川などの河川によってつくられた扇状地で、熊川と蛇尾川は厚い砂礫に水がしみこむため水が無く、クマなどの獣でも容易に歩ける川だ。
「(クマにとって)車が走る道路は危険だが川は安全。人間が思うより、クマは利口だ。道路沿いにあるオレの家の巣箱を狙うなら、道路をまたぎ民家の間を抜けてくるより、川沿いにくる方が早いし安全だ」(男性)。男性の家では、川沿いに自生した笹の茂みや竹林にクマが通ったあとが残っていたという。
年々増加するクマの出没情報に、男性は「クマの生態が変わっているのか、彼らの住む環境が変わったのか。理由はいろいろ言われているが本当はどうなのか、クマに聞いてみたい。出てこられても困るけどね」とつぶやいた。