昨年福島県のとある自宅に侵入したクマ。周囲の物が散乱している(2024年12月)
「秋田県美郷町の畳店にクマの親子3頭が侵入し、捕獲後に猟友会によって駆除されました。地元住民などからは『安心した』という声が上がる一方、役場には『駆除しないでほしい』などの抗議の電話が殺到しました。その多くが県外からの電話でした。
騒動はエスカレートし、『クマを殺すならお前も死んでしまえ』といった過激な電話も相次いだ。事態を重く見た当時の秋田県知事が『これに付き合っていると仕事ができません。業務妨害です』と、強い口調で言及するまでに発展していました」
そして今、同様の事態が羅臼岳の麓、斜里町の役場で起きている。担当者が明かす。
「それぞれ何件とは言えませんが、100件ほど電話が来ていると思います(18日取材時点)。危ないからそもそも登山道を閉鎖するべきだったというご意見や、そもそも熊がいる場所だから行くのが間違えているとか、殺すことに対してそれぞれ賛否の意見を頂いております」
こうした混乱の中、前出の猟友会関係者は、ヒグマの生息地に入る際に取るべき対策の重要性を改めて強調する。