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“謝罪なし対応”の広陵高校野球部、推薦で入学予定だった有力選手たちが進路変更で大流出の危機 保護者は「力のある同級生が広陵への進学をやめると聞き、うちも…」

「部員は家族」と語ってきた中井哲之監督だが…(時事通信フォト)

「部員は家族」と語ってきた中井哲之監督だが…(時事通信フォト)

 部員による暴力問題が発覚した広陵高校は8月21日、甲子園通算41勝を誇る中井哲之監督の交代を発表した。ただ、同校副校長で理事でもある中井氏は学校に籍を置き続けるかたちだ。

「学校として、とりあえず中井監督に責任を取らせました、という事態を収束させるための一時的措置のような気がしてしまいます。引責辞任だという発表もしなかったため、理事や副校長の立場で野球部に影響力を持ち続けるのでは……」

 そう語るのは、集団暴行に遭ったA君の父親だ。

 A君をはじめ教え子に対する暴言やパワハラの疑いが持ち上がっている中井監督は謝罪の言葉を一言も発せず、ひとまず表舞台から姿を消した。こうした対応に、来春以降の入学予定者にも影響が出ているという。広陵OBのある中学野球指導者が話す。

「中井監督が今年の中学3年生世代で有望視していた選手が、今回の事件を受けて、広陵ではなく、隣県の強豪私学に進路を変更するようです。広島県内では、公立なら伝統校の広島商業、私立なら広島新庄や盈進、崇徳などが進学先に選ばれるケースが増えるでしょう」

 今夏はベンチ入り20人のうち半数の10人が県外出身。「野球留学」の生徒は珍しくなかった。前出のOBが続ける。

「中国地方のある県では、広陵に推薦入試で入学する予定だった複数の現中学3年生が断わりの連絡を入れる意向のようです。別の強豪私立やこの夏の甲子園にも出場した関西の伝統校に進路を変更すると聞いています」

 そのうちの1人の保護者は「力のある同級生が広陵への進学をやめる意向と聞き、戦力が心許なくなるので息子も進路変更すると思う」と語った。

 広陵に尋ねると、「個別の進学や進路に関するご質問でもありますので、お答えしかねます。なお、誤解に基づく評価を受けている点については、正しくご理解をいただく努力をしてまいります。また、これまで及び今後の本校の取り組みについてもお知らせしてまいります」と回答した。

 まだ幕引きではない。

◆取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター)

※週刊ポスト2025年9月12日号

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