スポーツ

《ついに覚醒》阪神の主砲・佐藤輝明 4球団競合で指名権を引き当てた矢野燿大・元監督らが振り返る“無名の高校生からドラ1になるまで”

阪神の主砲・佐藤輝明はいかにして覚醒したのか

阪神の主砲・佐藤輝明はいかにして覚醒したのか

 セ・リーグを独走する阪神で主砲を担うのが、プロ5年目の“サトテル”こと佐藤輝明だ。新人時代から“大器”といわれながら、突き抜けた存在になりきれなかった男は、いかにして覚醒したのか。【前後編の前編】

 2020年のドラフトは、“大豊作”で知られる。翌年の新人王は37セーブの広島・栗林良吏だが、他にDeNAの主砲・牧秀悟や、中日・高橋宏斗、楽天・早川隆久、日本ハム・伊藤大海ら後の各チームのエース級がいた。

 そのなかで阪神は、近畿大学の佐藤を1位指名。4球団競合のくじ引きで指名権を引き当てたのが当時の矢野燿大監督だった。矢野氏が振り返る。

「あの年は本当にいい選手がたくさんいた。佐藤にも魅力はありましたが、僕は早川君のような左投手に興味があったというのが正直なところですね。打者の評価は難しく、佐藤も未知数の部分があったので、確実性を求めるのが難しい状況でした。

 ただ、ドラフトは球団としての補強。編成担当者と話し、関西出身のホームラン打者は多くは出ないということで、“1位でいきましょう”となった。将来性、伸びしろに期待した選択でした」

 1年目はオープン戦から本塁打を連発して大きな注目を集めるも、7月以降は失速。リーグ最多の173三振を喫し、“好不調の波が激しい”といった印象も定着する。プロ3年目には岡田彰布監督が就任し、5番打者として日本一に貢献するが、「四球の少なさや失策の多さから、岡田氏の評価は決して高くなかった」(番記者)とされる。連覇を逃した昨季は自身最少の16本塁打に終わった。

“縁”に恵まれた佐藤の野球人生

 そんな“未完の大器”が、今季は藤川球児新監督のもとで覚醒した。

 4番として32本塁打、78打点で打撃二冠を独走(8月24日時点)。打率も十傑入りし、三冠王さえ射程圏だ。失策は昨季の23から2へと激減した。

 ドラフトで引き当てた矢野氏は、1位の抽選を前年、外していた。

「また外すのはイヤだなと思っていましたが、“ドラフトは縁だ”と開き直ってクジを引きました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン