矢野燿大一覧

【矢野燿大】に関するニュースを集めたページです。

セ・パ交流戦で調子を上げた阪神(時事通信フォト)
阪神は「世論に影響される球団」奇跡の逆転優勝なら…矢野監督の去就はどうなるか
 シーズン開幕前に、「今シーズンをもって退任しようと思っている」と語った阪神・矢野燿大監督。開幕当初は泥沼の連敗が続き、シーズン中に解任を求める声も出ていたが、その潮目が大きく変わったのは、セ・パ交流戦(5月24日~6月12日)の後半からだ。 西武との3連戦の初戦に敗れた5月31日の時点では、交流戦の成績が3勝4敗、セで最下位に沈んでいた。在阪スポーツ紙は〈21世紀最速、屈辱54戦目。矢野監督・自力V消滅〉(6月1日付・スポニチ)といった手厳しい見出しを掲げた。 それが、6月3日からの甲子園での日本ハム戦に3連勝。同7日からのソフトバンク、オリックスとの6連戦を前に交流戦8勝4敗でヤクルトに次ぐ2位になると、〈交流戦5連勝でノリノリ矢野監督〉(7日付・サンスポ)と威勢がよくなり、交流戦を12球団中2位で終え、〈輝、チーム勝たせる4番になる〉(14日付・デイリー)〈球界を代表するエース青柳、獲る沢村賞〉(15日付・スポニチ)〈逆転Vの使者、頼もし第一声。ロドリゲス勝利に貢献する〉(21日付・サンスポ)と、ちょっと前がウソのような“お祭り騒ぎ”となった。 仮に阪神が奇跡の逆転V、日本一となれば、矢野監督の去就はどうなるのか。 阪神OBの間では、退任の意思は明確であるという見方が根強く、「本人が辞めると言った以上、続投はないでしょう」(元一軍投手コーチの中西清起氏)、「あの矢野監督という男は真面目なだけに撤回しないだろうね」(元編成部長の黒田正宏氏)といった声が多く聞かれた。矢野監督が自ら翻意して指揮官の座に留まろうとする展開は考えにくいようだ。 ただ、周りがそれをよしとするかは、別問題かもしれない。「矢野監督は就任以来、3位、2位、2位と、優勝こそできていないが、すべてAクラスに入って十分に結果を残している。さらに今年優勝でもすれば、当然、ファンからは続投コールが起きますよ。そんななかでは、後任となる監督だってやりにくい。矢野監督が退任を表明しているのに、球団が表立って後任選定に動けていないのも、そのあたりが理由だと言われている」(スポーツ紙デスク) 球団側はどう動くとみられるのか。阪神の元球団社長・野崎勝義氏はこう話す。「個人的には矢野監督の能力は評価しており続投してもらいたい。ただ、株主総会でも経営陣は(矢野監督が)辞める理由を説明している。普通に考えれば続投要請はできないです」 今季限りでの退任が基本線という見方だが、野崎氏は「ただし……」とこう付け加えた。「阪神という球団の場合、まだわからないところもあると思います。なんといっても世論に影響される球団です。リーグ優勝や日本一になれば、(退任を)帳消しにしようと思えばできる。もちろん、すでに次の監督に声を掛けているなら、そんなことはできないでしょうが、まだ具体的に声をかけられていなかったら、ひょっとするとね……」 まさかの矢野監督の電撃続投もあり得るのか──まずは“予祝”だった矢野監督の胴上げが、現実のものとなるかに懸かっている。※週刊ポスト2022年7月8・15日号
2022.06.29 11:00
週刊ポスト
シーズン開幕前に今季限りでの監督退任を表明した矢野燿大監督(時事通信フォト)
自力V消滅危機の阪神 次期監督は当たりクジ?「選手の意識変えれば劇的に変わる」の指摘
 甲子園に詰めかけた阪神ファンのため息が何度となく聞かれた。 阪神が5月31日の西武戦で今季13度目の完封負けを喫して2連敗。自力優勝の可能性が消滅した。6月1日の試合でかろうじて自力Vの可能性が復帰したが、54試合目での消滅は今世紀に入って球団最速。本拠地・甲子園で25イニング連続無得点(以下、数値は6月1日終了時点)と不名誉な記録が並ぶ。このペースだと年間34度の完封負けになり、球団最多の24度をはるかに超えることになる。スポーツ紙デスクが指摘する。「阪神はもっと出塁率を重視したほうがいい。例えば上位を打つ中野拓夢は2割7分9厘ですが、出塁率は四球が5つのみで2割9分6厘。糸原健斗も出塁率.2割7分8厘と3割に満たないようでは厳しい。積極的にファーストストライクから打ちにいくスタイルは決して悪くはないですが、ボール球に手を出したり、四球の可能性が高いのに制球難の投手を3ボールから強引に打ちにいって助けてしまっているケースが打線全体で目立つ。 これは個々の選手だけではなく、首脳陣の責任も大きいと思います。もっと相手が嫌がるような野球をしなければ得点は増えません。機動力が使える選手が多いので四球で塁に出て、ノーヒットでも得点を取るような野球を目指さないと。選手に好き勝手に打たせても得点は入りません」 実際、投手陣はリーグトップクラスだ。青柳晃洋、西勇輝、ウィルカーソン、ガンケル、伊藤将司、西純矢と先発ローテーションは頭数がそろい、安定した投球を続けている。救援陣は当初守護神に予定していた新外国人投手・ケラーが2試合登板で防御率33点台と大誤算だったが、岩崎優がセットアッパーから配置転換されて落ち着きを取り戻した。若手成長株の湯浅京己は力のある直球を武器に21試合登板で防御率は1点を切っている。抜群の安定感で「勝利の方程式」に不可欠な存在に成長した。昨年限りでソフトバンクの戦力構想から外れ、育成枠で入団して開幕直前に支配下登録された「苦労人左腕」の渡邉雄大も18試合登板で防御率2点台と期待以上の活躍を見せている。 広い甲子園を本拠地にして投手有利であることも加味すれば、ディフェンス中心の戦いで、堅い守備と得点をコツコツ積み重ねる戦い方がチームに合っているが、矢野燿大監督の戦い方は逆行しているように見える。佐藤輝明は右翼、三塁、大山悠輔は一塁、三塁、左翼と守備位置が固まらない。複数ポジションを守れたほうが戦術的に良いのかもしれないが、佐藤、大山が打線の軸であることを考えると1つの守備位置に固定して打撃に専念したほうが良いのではないだろうか。二塁の守備範囲が狭い糸原を打撃不振でもスタメンで起用し続ける采配にも疑問が残る。打線も個々の能力に任せた淡白な野球で、塁に出るための創意工夫が見られない。◆矢野チルドレンを競争に晒せ 矢野監督は今季限りでの退任を明言している。次期監督には阪神OBの岡田彰布氏、外部招聘では中日の監督で黄金時代を築いた落合博満氏がメディアで報じられているが、前出のスポーツ紙デスクは「新監督が選手の意識を変えれば劇的にチームが変わる可能性がある」と期待を込める。「例えば、落合さんが阪神の監督に就任したら中野、糸原はレギュラーを保障されない立場になるでしょう。勝つことに特化したメンバーだったら、出塁率が低く守備も記録に残らないミスが多い中野、糸原は意識を変えなければ試合に出られなくなる。いわゆる“矢野チルドレン”は聖域ではなくなるし、他の選手も横一線の競争になる。高山俊、江越大賀ら伸び悩んでいる選手にもチャンスが巡ってくる。新戦力も含め、レギュラーは半分以上入れ替わるのではないでしょうか。それぐらいのテコ入れをしないと選手たちに危機意識が芽生えないし、チームは変わらない。投手陣は12球団トップクラスなので打線次第で十分に戦えますよ」 最下位に低迷しているが、残り88試合残っている。次期監督が注目される中、矢野監督はラストシーズンで意地を見せられるか。
2022.06.02 11:00
NEWSポストセブン
シーズン開幕前に今季限りでの監督退任を表明した矢野燿大監督(時事通信フォト)
「阪神次期監督に落合博満氏」の驚愕シナリオ 広岡達朗氏、元球団社長は太鼓判
 キャンプイン前日に「今季限りの退任」を表明して物議を醸した阪神タイガースの矢野燿大監督。球団史上ワーストとなる開幕9連敗の後も浮上のきっかけを掴めずにいる。早くも後継候補の名前が飛び交っているが、平田勝男・二軍監督や岡田彰布氏、掛布雅之氏といった阪神OBに加えて急浮上しているのが、元中日監督・落合博満氏の名前である。 現役時代はロッテ、中日、巨人などで活躍し3度の三冠王に輝いた落合氏は、監督としても堂々たる成績を残している。中日の監督を務めた2004~2011年の8年間でAクラス入りを逃したことはなく、リーグ優勝4回、2007年には日本一にも輝いた。 落合氏は阪神からすれば完全な“外様”だが、関西ローカルのバラエティ番組に定期的に出演し、阪神ファンにアピールするように「オレならこう立て直す」とタイガース改革案を口にしてきた。また、YouTubeチャンネルなどでタイガース改革案を頻繁に披露しており、コメント欄には「監督になってほしい」といった投稿も相次いでいる。 落合氏の“腕力”が必要なほど、阪神が危機にあるということだろう。球界のご意見番である広岡達朗氏は「落合なら改革を期待できます」と断言する。「シーズンが始まる前に“今年で辞める”なんて言ってしまう今の監督みたいなバカたれとは違いますよ。落合は現役時代には自分の努力で三冠王を3度も獲った真面目な男。中日の監督として勉強もした。“体が出来上がっていなければ何を教えても結果が出ない”という信念を持っている。ただ、どうすれば立派な体になるかの教え方は、まだ勉強しないといけない。 中日で勉強したことを阪神でやり、選手が甘えている阪神でまた勉強すれば、監督としてさらに成長できます。弱いチームで監督をやるほど勉強できる。私もヤクルトや西武といった弱いチームで欠点の多い選手から教わった。問題は落合が自分の考えを誰に指示するか。ヘッドコーチなどの人事が見ものです」 落合氏は5月から東京、神奈川、大阪、愛知で講演会を開く予定だ。その参加メンバーにも注目が集まっている。元中日担当記者が言う。「講演では落合氏の中日監督時代にヘッドコーチを務めた森繁和氏、開幕投手を任せた川崎憲次郎氏、エースだった吉見一起氏、そして守護神だった岩瀬仁紀氏の4人がゲストに呼ばれる。落合氏の信頼が厚いメンバーで、阪神監督になればコーチとして呼ばれる面々とも囁かれている。 阪神に限らず、日本の球団はコーチに自軍OBを起用することが多い。ところが、落合監督時代は中日OBを一掃した。現役時代は西武一筋の森氏を参謀として重用したのが象徴です。白井文吾オーナーの力をバックに、OBの指定席だった独身寮の寮長まで替えてしまった」 反発も招くが、結果を出して黙らせた。ただし、そんな落合氏の“泣き所”が人気面だ。Aクラス入りを続けても観客動員数はジリ貧で、人気球団の阪神ではそれがよりシビアに問われるのではないのか。そうした懸念を広岡氏はこう喝破する。「落合監督になるとファンがいなくなると言われているが、そんなのクソ食らえですよ。大阪は結果がよければ、みんな味方になる。ホント調子がいいんだから……。大阪の人はわかっているから、やっていることが間違ってなければついてきます。落合のような監督が、なぜどこの球団からも呼ばれないのか、不思議で仕方がない。阪神は生え抜きにこだわる必要なんて全くないと思いますよ」抵抗勢力の存在 矢野監督の退任が決まっている以上、後任選びが進められていることは間違いない。元阪神球団社長の野崎勝義氏は言う。「次の監督が決まる時期? 今回のようなケースでは、すでに水面下で動いていないとおかしい。ただし、あまり早く動くとマスコミが察知して潰れてしまう。人気球団だけにやりにくさはありますね」 野崎氏は球団本部長・専務時代、初の外様となる野村克也氏を監督に招聘。2001年には球団社長となって星野仙一氏を招聘した。「当時の久万俊二郎オーナーは“常に次の監督を準備しておかないといけない”が口癖で、我々もそう動いていた。最後は久万オーナーの考えでノムさん、星野さんにお願いすると決まりました。 落合氏は、勝つためにはいい監督でしょうね。当時のキャンプを視察した時に、すごく練習していたのが印象に残っています。夏になるとタイガースは疲れが出て成績が落ちることが多いが、落合監督は“お前らはあれだけ練習してきたんだから、これからはお前らが勝つ時期だ”とムチを入れて夏場に勝っていた。素晴らしいことです」 その一方で、野崎氏は「勝てる監督ですが、阪神監督としてはどうなのか」と不安も口にする。「落合監督は“勝てばファンは喜ぶ”という信念のようですが、球団はファンあってのもので、マスコミ対応も重視されます。ノムさんも星野さんも、そこは大事にしていましたからね。 また、外様のほうが生え抜きよりも改革を進めやすいが、抵抗が大きいのでオーナーが全面的にバックアップしないと厳しい。ノムさんの時はオーナー主導だったが、それでも反改革派がいてしばらくは内部がごたつきました。仮に今のフロントにそれだけの覚悟を持った人材がいるのだとすれば、落合監督は最高の人材だと思います」 こうした不安の根底には“弱くても人気がある”という阪神ならではの問題がある。阪神時代に「ベンチがアホやから」の名言を残して引退した江本孟紀氏はこう話す。「球団があえてリスクを取ってまで落合監督を起用するのかということ。阪神は優勝しなくていいチームですからね。ダントツの最下位でも、12球団で観客動員が一番多い。矢野を辞めさせるために大物を持ってくるというならわかるが、本人がキャンプ前に辞めると言っているんです。巨人が低迷した時に、その気がないのにナベツネ(渡邉恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役主筆)が落合監督と口にしたことがあった。その時と状況が似ているようにも見えますね」“落合監督”という劇薬は実現するのか。球団の覚悟と危機感が問われているとも言えよう。※週刊ポスト2022年5月27日号
2022.05.20 07:00
週刊ポスト
阪神次期監督候補に落合博満氏?(時事通信フォト)
阪神次期監督候補に落合博満氏急浮上 YouTubeや在阪テレビで“ラブコール”
 一時は勝率0割台にまで沈んだ阪神タイガースの“ダメ虎”ぶりに、開幕直後から夕刊紙には矢野燿大監督の「途中休養」の文字が躍った。開幕9連敗の後には藤原崇起オーナーが矢野監督の去就について「当然、シーズン終了まで采配を振るってもらう」と火消しに走る騒ぎとなったが、すでに具体的な後継候補の名前が飛び交っている。「球団が更迭しなくても、矢野監督が自ら休養を申し出る可能性はまだある。正捕手を梅野(隆太郎)に固定せず、お気に入りの坂本(誠志郎)を併用するなど“矢野チルドレン”の重用でチーム内に不満が鬱積している。結果が出ないままだとチームが崩壊しかねない。途中休養なら平田勝男・二軍監督の昇格ではないか。平田体制を3年ほど続ければ、藤川球児、鳥谷敬、今岡真訪(誠)といった元人気選手を次期監督候補として育てられる」(在阪スポーツ紙デスク) 選手として1985年の日本一を経験し、2005年は監督としてリーグ優勝を果たした岡田彰布氏の再任とみる声も根強くある。「監督人事は親会社である阪急阪神ホールディングスの角和夫会長が首を縦に振らなければ決まらない。角会長は同じ早稲田大学出身の岡田氏と親しい。岡田氏なら同じく早大の後輩にあたる鳥谷をコーチとして招聘できるし、JFKの一角として岡田氏に抜擢された藤川も入閣を断わらないはずだ」(阪急阪神HD関係者) 当然のように候補に挙がるのは阪神OBの名前ばかりである。 阪神の球団史のなかで現役時代に在籍経験のない“外様監督”は、野村克也氏(1999~2001年)と星野仙一氏(2002~2003年)のみ。両氏のもとで主軸を打った広澤克実氏は「関西のファンは生え抜きと活きのいい若手が大好きなんですよ」と話す。「次の監督は掛布雅之さんがいいんじゃないか。過去の金銭トラブルがネックと言われるが、一体いつの話なんだと。阪神のことをよく知っているし、ファンの人気も根強い。阪神が負けても人気があるのは、“生え抜き”と“若手”を大事にするからですよ」 自身もヤクルト、巨人を経て阪神に移籍した広澤氏は、「(クラウンライターから移籍した)真弓(明信)も、(広島から移籍した)金本(知憲)も、(中日から移籍した)矢野も、一部からは“外様監督”扱いされるくらい。それほど生え抜き重視の文化がある」と強調した。 ところが、である。今回の後継監督人事を巡って浮上しているのが、完全な“外様”である元中日監督・落合博満氏の名前なのだ。「優勝すればいいんだろ」 現役時代はロッテ、中日、巨人などで活躍し3度の三冠王に輝いた落合氏は、監督としても堂々たる成績を残している。中日の監督を務めた2004~2011年の8年間でAクラス入りを逃したことはなく、リーグ優勝4回、2007年には日本一にも輝いた。「最近の落合氏の言動を見ると、“オレを阪神の監督にすれば優勝できる”というアピールに見えて仕方がない」 そう話すのは在阪テレビ局関係者だ。「4月に自身のYouTubeチャンネル『落合博満のオレ流チャンネル』を開設し、〈阪神・矢野監督の開幕前の退任発表を斬る!〉(4月13日)、〈悩める「阪神・藤浪投手」に助言!〉(同15日)といった見出しの動画を次々にアップ。再生数を伸ばしています。真剣な表情で“佐藤(輝明)が失速したのは体力不足”“オレは休んで調子を戻した”などとアドバイスを送っているのです」 動画内でスタッフから現場復帰について聞かれると「考えます。どうやったら上手くなる、どうやったら勝つということを教えたい」と意欲を見せた。今年からテレビ露出を一気に増やして“オレ流”の分析を披露していることもあり、球界関係者の間で「落合氏が監督復帰に動いている」(スポーツ紙デスク)という見方が定着しつつある。「復帰先を考えた時に、古巣の日本ハム、ロッテ、中日は若い監督になっているし、巨人も原(辰徳)監督の後任は阿部(慎之助)氏など候補がはっきりしている。そうなると今オフに矢野監督が確実に辞める阪神で、という話になってくるのは当然でしょう」(同前) この数年、落合氏は関西ローカルのバラエティ番組に定期的に登場し、阪神ファンにアピールするように「オレならこう立て直す」とタイガースの改革案を口にしてきた。「今年1月には、関西ローカルの深夜番組で掛布氏と対談。“142試合あれば60敗までできる。それで22の貯金になる”といった独自の理論を語り、掛布氏が“マスコミやファンがうるさいのが阪神”と苦笑いすると、落合氏は“最終的に優勝すればいいんだろということ。それを優勝しないからいけないんじゃないか”と言い放った」(前出・在阪テレビ局関係者) 落合氏のYouTubeチャンネルのコメント欄にも「阪神の監督になってほしい」といった投稿が相次いでいる。 結果を出せるからこその「オレ流」であり、今の阪神に欠けているのは何より結果だ。かつて“外様”の野村氏が阪神監督に迎えられたのは、吉田義男監督のもとで首位と27ゲーム差の最下位に沈んだ後のことだった。野村氏が戦力を整備し、引き継いだ星野氏がチームを優勝に導いた。矢野監督のもとで低迷し、再建待ったなしの状況を当時と重ねる人が多いのは当然とも言える。「中日時代の落合監督は本当に勝つことに徹していた。守りを固め、バントと犠飛で点を入れ、先発、中継ぎ、抑えを確立して方程式を作り上げる。面白みがあるとは言い難いが、しっかり勝つ」(ベテラン記者) 2007年の日本シリーズで完全試合を目前にした山井大介を交代させ、9回から守護神・岩瀬仁紀をマウンドに送ったのが象徴的な落合采配だろう。結果を出すためになんでもやる姿勢について、落合監督時代の中日担当の記者はこう振り返る。「考えてみると、野村監督、星野監督と落合監督の長所には共通する点がある。マスコミを使いながら選手を一つの方向に動かす能力です。それぞれスタイルは違いますが、野村監督は練習中にベンチで記者にわかりやすく解説し、紙面を通じてそれが選手に伝わるようにした。星野監督はプライベートでも記者を可愛がり、味方につけた。落合監督は“そんなこともわからないの?”と記者のプライドを刺激する方法で記事を書かせる。 当時の荒木雅博・井端弘和のアライバコンビも、最初は落合監督が“こんな凄い二遊間をなぜ褒めない“と記者の目が節穴のように言って流れを作った。記事が出たら選手たちがその気になって、結果につながる。外様の阪神監督に求められるマスコミ操縦術は持ち合わせている」 はたして“落合監督”という劇薬は実現するのか──。※週刊ポスト2022年5月27日号
2022.05.19 19:00
週刊ポスト
2月23日、沖縄キャンプで事前胴上げされる矢野監督(写真/共同通信社)
阪神・矢野監督がシーズン中にメンタル講習 選手から「練習時間がなくなる」の声も
 開幕9連敗から捲土重来を期す阪神。しかし、球団内からは矢野燿大監督(53)の“不思議なトレーニング”への傾倒をめぐって困惑の声が聞こえてくる。 矢野監督は勝利インタビュー中に、「波」「ビッグウェーブ」と記された色紙を掲げたり、「予祝」という前祝いの行為にこだわりを見せたりしている。それぞれに“専門家”の教えによるところが大きいようで、メディアのなかには「奇行」扱いするところもある。ちなみに矢野監督に予祝という考えを伝授したメンタルトレーナー・大嶋啓介氏の著書によると、予祝は、夢が叶ったときと同じ周波数になることにより、その未来を引き寄せることができる、という考え方に基づくようだ。 ほかにも矢野監督はチームに様々なメンタルトレーニングを取り入れている。 今年2月の沖縄キャンプには予祝を提唱するメンタルトレーナーだけでなく、「お笑いセラピスト」の肩書きを持つ尾崎里美氏も招かれ、2日間にわたって講義した。「矢野監督が3年前から師事する尾崎氏は、自己啓発や波動研究なども行なうセラピストです。キャンプでは報道陣に『メンタルでパフォーマンスは変わる。いかに恐怖やプレッシャーを取り除くかが講義のポイントです』と説明していました。 具体的には、脳科学などの視点から集中力と想像力を鍛える実技を行ない、名刺で割り箸を切るという集中力のトレーニングなども紹介したそうです」(阪神番記者) 選手の中でも尾崎氏の考えに特に共感しているのが、投手の西勇輝だ。「オリックス時代から彼女と面識がある西は、『マウンドで物怖じせずに投げられるのは、尾崎さんの教えのおかげ』と感謝しています」(同前) 尾崎氏にも取材を申し込んだが、「あいにく、阪神タイガースの講義については取材をお断わりさせていただいております」との返答だった。 メンタルトレーニングが行なわれたのは、キャンプ中だけではない。 シーズン開幕後の4月7日、矢野監督は知人の実業家を招き、選手やスタッフ全員を集めてメンタルに関する講習を行なったという。「1勝10敗というどん底のタイミングでしたが、シーズン中に外部から講師を招いての講習は異例です。『成長するには』『集中するためには』という精神面の講習が1時間ほど開かれたらしい。 しかし、この日のミーティングは決まっていたが事前に内容を知らなかった選手も多く、『練習時間がなくなる』との声を一部の選手が漏らしていたと聞いています。現場ではメンタルよりも練習だという空気です」(前出・阪神番記者)岡田監督待望論 矢野監督の“奇策”は、選手起用にも現われている。「矢野監督が独断で抑えに起用した新外国人投手のケラー(29)は開幕後に負けが続いて守護神失格の烙印を押されました。打撃陣も32試合目でスタメンオーダーが20通り以上と打順が定まらない。 選手はそれなりに頑張っていますが、『楽しむことが一番』『ビッグウェーブを起こせ』と精神面ばかり強調されても、戦術や起用法が地に足がつかなければ、せっかく上向いたチームの勢いを維持できない。開幕から乱高下が続くのは、矢野監督の采配が定まらないからという声がもっぱらです」(ベテラン番記者) 選手や関係者の不満が募る中、球団内部では早くもストーブリーグの話が出始めているという。「今季限りの退任を表明した矢野監督の“次”を見据えている選手やコーチも既にいます。関係者からは阪神OBの岡田彰布氏を次期監督に据え、同じくOBの鳥谷敬氏を入閣させるなど次の体制を進めるべきとの声が出ています」(同前) 一連のメンタルトレーニングについて球団に尋ねたが、「球団内情報につきご回答いたしかねます」(阪神タイガース広報部)とのことだった。 前祝いではなく、ファンに本物の喜びを届けてほしいものだ。※週刊ポスト2022年5月20日号
2022.05.10 16:00
週刊ポスト
阪神・矢野燿大監督が傾倒するのは…(時事通信フォト)
阪神・矢野監督が熱心に取り組む“予祝”「夢が叶ったときと同じ周波数になる」
 開幕9連敗の悪夢からようやく抜け出しつつある阪神。しかし、球団内からは困惑の声が絶えず聞こえてくる。指揮官・矢野燿大監督(53)の“不思議なトレーニング“への傾倒が止まらないからだ。ビッグウェーブ連発 5月1日の東京ドーム。敵地で巨人を3タテし、連勝を6に伸ばした阪神の矢野耀大・監督は、勝利インタビューでこう語った。「ビッグウェーブにしていきたいですし、5月、いいスタート切れたんでね。いい形で甲子園に戻れる形を全員で作れたので、本当にビッグウェーブにしていきます」 チームの勢いを大きな“波“にしたい──指揮官としては至極当然の発言のようだが、2度繰り返された「ビッグウェーブ」という言葉に顔をしかめた虎党は少なくない。 親会社の阪急阪神HD(ホールディングス)関係者が重い口を開く。「せっかく6連勝を果たした直後に、あれほどファンやOBから不審がられた『波』という言葉をわざわざ連発するなんて。歓喜に沸く阪神ファンの気持ちが複雑なものに変わっていくのが伝わってきました」 その原因となったのは、4月15日の巨人戦での矢野監督の言動だ。1勝15敗1分の中、宿敵を本拠地・甲子園で迎え撃ったこの日、阪神はようやく今季2勝目を挙げた。「ちょっと時間、大丈夫ですか」 試合終了後の勝利インタビュー中にそう切り出した矢野監督は、「波」「ビッグウェーブ」などと記された謎の色紙を掲げてこう語った。「今日、お友達の文字職人の杉浦誠司さんに来ていただいて、365枚ある札の中から漢字一文字を引き当てるんですけど、僕がチームをイメージしながら引いたのは『波』という字。潮も引いて、波が起きる。浮き沈みもあるけど、みんなで大きい波を作っていこう、それは楽しむことが一番大事じゃないか、というメッセージをもらって戦っていました」 この日の試合前、365枚の木札の入った袋から矢野監督がくじ引きのように「波」という札を引いた。そして矢野監督と親交のある文字職人の杉浦氏が「波」をテーマに、即興で考えた応援メッセージを色紙に綴ったのだという。 突然の「大波発言」に球団関係者は困惑していたようだ。在阪テレビ局関係者が語る。「青柳晃洋(28)の好投と佐藤輝明(23)の本塁打で勝った試合だったのに、矢野監督は選手そっちのけで、まるで友人のメッセージのおかげで巨人を倒したような口ぶりになり、甲子園のファンに感謝する言葉もなかった。この発言に違和感を覚えた選手や関係者、ファンは多かったんです。 しかも色紙を掲げた矢野監督の姿はテレビで生放送され、ほぼ無名である杉浦氏の名前が全国に流れた。球団関係者は火消しのため、『色紙の写真は掲載しないでほしい』とスポーツ各紙に根回ししたと報じられました」 しかし、翌日のほとんどの在阪スポーツ紙には、矢野監督と謎の色紙の写真が掲載され、中には「奇行」と報じたメディアもあった。「ありがたくいただきます!」 この日の試合前の円陣では、杉浦氏が色紙に記した「これから起こるビッグウェーブ」などの文章を大声で読み、「皆で大きな波を作っていこう!」と声を張り上げた。 翌日の第2戦前には、「面白がれば面白がるほど面白い」と自ら記した色紙を持ち出し、円陣で「楽しむのが俺たちの野球の根本」などと声出ししたという。「指揮官たる監督が試合前の円陣で声出しするのはレアケースですが、矢野監督は3戦目の試合前にも円陣に加わり、『ビッグウェーブを起こそう』とハッパをかけたようです」(前出・在阪テレビ局関係者) 振り返れば、今季の矢野監督はシーズン前から奇抜な言動が目立った。 2月のキャンプイン初日前夜には、今季限りでの退任を表明した。シーズン開幕直前に監督が「今年でやめる」と公表するのは極めて異例だ。 2月23日、沖縄・宜野座キャンプの練習前には糸井嘉男(40)や西勇輝(31)らが中心となって、選手たちが矢野監督を3度「事前胴上げ」した。 前代未聞のイベントに矢野監督はジャンパーを脱ぎ捨て、「ありがたくいただきます!」と嬉しそうに笑顔で選手たちに身を委ねた。 前出の阪急阪神HD関係者が語る。「矢野監督の一見不可解な言動のベースにあるのは、『予祝』という考え方です。 以前から矢野監督は『予祝』に取り組んでいましたが、今季はますます熱心に取り組むようになりました。監督退任が決まっていることの影響も大きいのかもしれません」未来と同じ周波数になる きっかけは、ひとつの出会いだった。阪神の番記者が語る。「矢野監督に予祝という考えを伝授したのは、メンタルトレーナーの大嶋啓介氏です。2人は2019年頃から交流を深め始め、影響を受けた矢野監督が大嶋氏の考えを野球に取り入れるようになった。文字職人の杉浦氏を矢野監督に紹介したのも大嶋氏です。今年2月には大嶋氏が阪神のキャンプを訪れ、選手相手にメンタルトレーニングを施しました」 大嶋氏は、2004年に居酒屋「てっぺん」を設立し、居酒屋経営とともに、ビジネスマン向けの自己啓発セミナーやアスリートのメンタルケアの活動にも注力している。 本人のホームページによれば、2008年の北京五輪で金メダルに輝いた女子ソフトボールチームや、聖光学院、海星高校など100校以上の高校の野球部で強化研修を行ない、22校が甲子園に出場したという。 その大嶋氏が提唱するのが「予祝」である。 予祝とは、夢や願いごとが達成したと仮定し、先に祝うことで、現実を引き寄せようとすること。要するに、「前祝い」をすることで、夢が成就されるという考え方だ。 なぜ、予祝で夢が叶うのか。「予祝メンタルトレーナー」の肩書きを持つ大嶋氏は、セラピストのひすいこたろう氏との共著『前祝いの法則』でこう説明する。〈それは、未来に夢が叶ったときと同じ喜びをいまの時点で感じることで、現在の気持ちが夢が叶ったときと同じ周波数になるから、その未来を引き寄せることができるのです〉 この考えに心を奪われたのが矢野監督だ。「2018年オフに阪神監督に就任した矢野監督は、初キャンプ中のマスコミ懇親会の席で、『皆さんのおかげで2019年、優勝できました』といきなり優勝祝賀会のような乾杯の音頭を取り、周囲を唖然とさせました。また日本一の予祝としてシーズン中に知人から『優勝監督インタビュー』を受けていたこともあります。 選手にも矢野監督のバイブルである大嶋氏の著書を配っている。今年のキャンプで糸井や西勇輝が『予祝胴上げ』を行なったのも、矢野監督の影響が大きい」(前出・阪神番記者) 大嶋氏のもう一つの肩書きは「スーパーブレイントレーニング(SBT)」の認定1級コーチだ。 SBTは、イメージトレーニング指導者の西田文郎氏が構築したプログラム。大脳生理学と心理学に基づき、脳から心を鍛えるトレーニングで、スポーツやビジネス、教育など幅広い分野で優れた実績があるという。4年前にSBTの講習を受けた元大学野球部員が振り返る。「言葉や行動をポジティブにすると内面もポジティブになるとの教えで、部員が互いに『ヨッシャー!』と叫びながらハイタッチしたり、『できる! できる! おれはできる!』と大声で叫ぶレッスンがありました。 またイメージトレーニング用として、勇猛な音楽とともに『あなたの身体に眠っているパワーを呼び覚まし、貫禄のある強い自分を作るのです』と諭されるCDを手渡された。SBTの講習を受けた部員のその後の成績はまちまちでしたね」 矢野監督も「チーム内で事前に勝利をイメージしてハイタッチをする練習に取り組んでいます」(前出・阪神番記者)という。 大嶋氏は阪神の選手にどんなメンタルトレーニングを施しているのか。 大嶋氏に尋ねると、事務所を通じて「阪神側からNGが出ているそうなので、取材は一切お断わりさせていただきます」 との回答が寄せられた。※週刊ポスト2022年5月20日号
2022.05.09 16:00
週刊ポスト
矢野燿大監督には最後の一年だったが…(写真/共同通信社)
最下位低迷の阪神、すでに話題は次期監督に ファンが望む名将の名前
 開幕ダッシュに失敗し、最下位に低迷する阪神。5月中にも自力優勝消滅の可能性があり、17年ぶりのV奪回は早くも厳しい状況に追い込まれている。そうしたなかで、すでに次期監督を巡る様々な情報が飛び交っている。 在阪スポーツ紙記者はこう語る。「巻き返しに向けて大型連勝しなければいけない状況ですが、見通しは厳しい。打線に爆発力があるチームではないので、投手力で白星を積み重ねていかなければいけませんが、救援陣の不安が解消されていない。番記者としても明るいニュースを見つけるのが厳しいですね。唯一の光は佐藤輝明の活躍でしょうか。活字にはできませんが、話題は矢野燿大監督の後任人事です。チームをもう一度立て直すためには、選手の意識を変えなければいけないでしょう」 矢野監督は2月1日のキャンプイン前日に、今年限りでの退任の意向を表明。異例の出来事に選手たちも戸惑いを隠せなかった。就任1年目の2019年は3位、2020年は2位、昨年もヤクルトにあと一歩及ばず2年連続2位に終わった。3年連続Aクラスという成績は決して悪くないが、「野球の質」を見ると高いとは言いがたい。昨年は4年連続リーグワーストの86失策。最少だった巨人の45個の倍近くだった。12球団屈指の投手陣をそろえながら、「守りの野球」が徹底されていない。「矢野監督は捕手出身ですが、守備を重視しているとは思えない起用法をする。象徴的なのが佐藤の起用法です。ルーキーだった昨年は右翼を守りましたが、今年は春季キャンプで三塁、右翼と複数のポジションを守らせ、開幕2週間前のオープン戦で二塁にスタメン抜擢して驚かせた。佐藤はアマチュア時代を含めて二塁を一度も守ったことがありません。不測の事態に備えてということですが、守備を重視するならこんな起用法は考えられません。守備位置をコロコロ変えると打撃にも影響が出る恐れがある」(前出・在阪スポーツ紙記者) 矢野監督が就任以来、能見篤史(現オリックス)、鳥谷敬氏、福留孝介(現中日)ら主力選手たちが戦力構想から外れる形で退団。若返りを図り、近年は優勝争いを繰り広げている実績は評価されるべきだろう。選手との絆も固い。今年の春季キャンプでは、「1DAYキャプテン」を務めた糸井嘉男の発案で、「予祝」として胴上げすることを提案。矢野監督はウインドブレーカーを脱ぎ、3回宙に舞った。本番では指揮官の背番号と同じ数の88回胴上げを行なうと糸井が報道陣に宣言して盛り上がったが、ペナントレースの戦いぶりを見ると実現は厳しそうだ。ファンが熱望する落合阪神 今年限りで退任する矢野監督の後任として、平田勝男2軍監督、元監督の岡田彰布氏らが候補として考えられる。野球解説者として活動しているOBの鳥谷氏、藤川球児氏は指導者経験がないため、1軍監督にいきなり抜擢されることは考えづらい。 外部招聘として、野球ファンから待望論が強いのが落合博満氏だ。中日の監督を務めた2004年から2011年の8年間全てAクラス入りを果たし、4度のリーグ優勝、1度の日本一を達成。歯に衣着せぬ発言は健在だ。今年3月にYouTubeチャンネル「落合博満のオレ流チャンネル」を開設。4月13日の動画では、矢野監督の退任表明に言及し、「辞める人のために誰がやる? プラスアルファとリスク、どっち多いかと言えばリスクのほうが多い。矢野がどういう気持ちで言ったかそれはわからないけど、どうせ言うんだったらシーズン終わってからの方が潔いと思うけどね」と疑問を呈した。 そして、「矢野に見いだされてレギュラーになってゲーム出ている人間は『矢野が辞めるなら有終の美を飾らせよう』と必死にやるかもしれないけれども、冷や飯くってる人間は『どうせ次誰か来るんだろ』とそっちのほうが多いと思う」と持論を展開した。「阪神球団の体質を考えると、落合さんを招聘することは考えづらい。ただ、過去にも野村克也さん、星野仙一さんを外部招聘した経緯があるので可能性はゼロではない。落合さんが監督に就任したら野球がガラッと変わるでしょう。練習量は間違いなく増えるだろうし、守れない選手は使われなくなる。四球を選べず、出塁率が低い選手も評価されないでしょう。勝つための野球を徹底する。中日時代は『勝っても客を呼べない』とも揶揄されましたが、阪神ファンが一番に望んでいるのは優勝です。個人的には落合さんが阪神をどう変革するか興味があります」(スポーツ紙デスク) このまま低迷が続けば、阪神の話題は「ストーブ人事」にシフトしてしまう。セ・リーグを盛り上げるためにも意地を見せてほしい。
2022.04.27 17:00
NEWSポストセブン
戦力的には当時より今のほうが充実しているように見えるが…(矢野燿大監督=右。時事通信フォト)
今の阪神「最弱の暗黒期」とどっちが弱い?1987年は37.5ゲーム差の最下位
「いったい、どこまで負け続けるのか……」。ファンからはそんなため息混じりの声も聞こえてくる。4月20日、阪神がDeNAにサヨナラ負けを喫して3連敗。22試合を終えて3勝18敗1分、勝率1割4分3厘でリーグ最下位を独走している。首位・巨人には11.5ゲーム差を付けられ、早ければ30試合目の4月29日に自力優勝の可能性が消滅するという“非常事態”になってきた。プロ野球担当記者が話す。「巨人が8連勝して、阪神が8連敗するという仮定の話ですから、実際には4月中の自力V消滅はないでしょう。しかし、開幕から1か月も経たないうちに、そんな話題が出ること自体、とんでもないこと。去年はゲーム差なしの2位で、今年も優勝争いをすると思われていましたから」 今年の弱さに“暗黒期”を思い出すファンもいるだろう。阪神は2リーグ分裂後の優勝回数5回と少ないが、1970年代半ばまではAクラスの常連だった。1978年に球団史上初の最下位に転落するも、1985年には日本一に輝いて猛虎フィーバーが起こった。しかし、その2年後から暗黒期が始まった。2003年に星野仙一監督で優勝するまでの間、16年間で15回のBクラス、そのうち10回の最下位と散々な成績だった。「特に、吉田義男監督の1987年は弱かったですね。4番の掛布雅之が前年の故障から急激に衰え、この年は腰痛も発生して二軍落ちするなど絶不調だった。元々、強くなかった投手陣は外国人のマット・キーオが孤軍奮闘した以外は目立たなかった。6月に札幌円山球場で連敗した時は細川たかしの『北酒場』に引っ掛けて、『北墓場』と見出しを打つスポーツ紙もありました。終わってみれば、球団史上ワーストの勝率3割3分1厘、優勝の巨人とは37.5ゲーム差を付けられた。2年前の天国から地獄に落ちた吉田監督は1985年からの5年契約だったにもかかわらず、事実上の解任となりました」 そんな最弱の1987年でも、22試合消化時点では6勝14敗2分で、勝率は今年の倍以上の3割あった。当時の戦力を見ると、20代のレギュラーは捕手の木戸克彦と遊撃手の平田勝男しかおらず、投手陣も山本和行、福間納、伊藤文隆などは30代で峠を越えていた印象もあった。28歳で中堅の池田親興は来日したばかりのボブ・ホーナーに1試合3ホーマーを打たれるなど調子が上がらず、2年目の遠山昭治の故障など誤算も重なった。グラウンド外の出来事に注目集まる共通点「あの頃は今と違い、30代になればベテランと呼ばれており、チームが世代交代の時期に差し掛かっていました。だから、低迷するのは仕方なかったとも言えます。しかし、今年のメンバーを見ると打線では近本光司や大山悠輔は脂が乗ってくる年頃ですし、佐藤輝明や中野拓夢など将来性豊かな選手がレギュラーで出ている。投手陣だって青柳晃洋や秋山拓巳はここ数年は全盛期としての活躍を期待される年齢でしょうし、伊藤将司や小川一平という活きのいい若手もいる。中堅や若手が主力を占めており、これほど落ち込む戦力ではない」 1987年と今年の共通点は、グラウンド外の出来事に注目が集まったことだろう。1987年は開幕前に4番の掛布雅之が飲酒運転、2年連続三冠王のランディ・バースがスピードオーバーという道路交通法違反を犯し、不穏な空気が立ち込めていた。6月には竹之内雅史打撃コーチが代打起用を巡って吉田監督と対立し、シーズン途中に退団するという“お家騒動”が起こった。今年は言わずもがな、矢野燿大監督がシーズン前に今季限りでの退任を自ら発表したことである。「阪神は監督自身が何も発しなくても、マスコミに騒がれる。それなのに、格好の監督人事ネタを自分から提供してしまった。選手は自分のプレーに集中するだけとはいえ、開幕早々から来季監督の話題が出れば、気にならないわけがない。自ら雑音を生み出すような行為をしてしまったことはマイナスでした。しかし、そんなことを言ってももう遅い。このまま阪神が浮上できず、5月中旬あたりに自力V消滅となれば、矢野監督のシーズン中の退任はあると思いますよ」 チームにとっても矢野監督にとっても、厳しい状況にあるのは、間違いない。
2022.04.21 16:00
NEWSポストセブン
矢野燿大監督には最後の一年だったが…(写真/共同通信社)
ラストイヤー阪神・矢野燿大監督 開幕撃沈でシーズン中の退陣もあるか
 開幕9連敗で43年ぶりにセ・リーグのワースト記録を更新した阪神。「在阪スポーツ紙も頭を抱えています。阪神ファンは勝てばスポーツニュースを見て、翌日にスポーツ新聞も買うが、負けるとニュースも見ない。開幕7連敗で『V率0%』と報じられ、オフまでスポーツ紙を買わない虎党もいる」(元デイリースポーツ編集局長の平井隆司氏) 戦力的にはやはり、守護神・スアレスが抜けた穴が大きい。ヤクルト、巨人、阪神で4番を打った広澤克実氏が指摘する。「スアレスの穴はわかっていたことですが、代役の新外国人・ケラーがこんな悪いとは思っていなかったのでしょう。なぜ、オープン戦でもっと色々と試せなかったのか。抑えができるかは、捕手の梅野(隆太郎)や坂本(誠志郎)に聞けばわかったと思いますよ」 矢野燿大監督にとって“一丸で戦うラストイヤー”のはずだった。キャンプイン前日の1月31日、「今シーズンをもって退任しようと思っている」と表明していたからだ。 だが、1960年代の阪神で捕手として活躍し、“ダンプ”の愛称で知られる辻恭彦氏は、この退任表明が士気を下げたとみる。「選手はみんな去り行く監督に背中を向けていますよ。日本ハムは負けても選手が新庄監督に認めてもらおうと元気一杯のプレーをしているけど、阪神は選手がホームランを打っても矢野監督が前年までのような笑顔を見せない。選手もどうしていいのかわからないように見えます」 早くも関係者の間では、「矢野監督のままで今季を戦えるのか」という声が浮上しているという。「阪神にとって監督解任騒動は“お家芸”だが、通常は『真夏のストーブリーグ』です。春先のここまで早い時期のストーブリーグはさすがに例がない」(平井氏) 実際に、フロントが更迭に動くことがあるのか。阪神の元球団社長・野崎勝義氏はこう言う。「タイガースの場合、球団が率先してお家騒動を起こすわけではない。在阪メディアの報道次第で流れが変わるのです。“矢野休養か”といった過激な見出しが出始めると、試合どころではなくなる。今回も、球団が矢野監督に休養を勧めることはないだろうが、過去には監督が先に音を上げてしまうことがあった。1984年の安藤(統男)監督退団のケースでは、熱狂的な阪神ファンが監督の自宅に剃刀入りの脅迫状を送り付けたりして、監督だけでなく家族まで体調を崩し、退任となりました」 野崎氏は「このまま成績が浮上しなければ、矢野監督から退任を申し入れることになるのでは」としたうえで、こう唇を噛む。「やはり星野仙一さんが亡くなったことが大きい。監督の声が掛かった時に“受けるべき”背中を押したのが星野さん。亡くなったことで相談相手を失った。星野さんが存命なら、キャンプ前に選手の士気を下げる退任表明はしなかったと思う」 早すぎる退任表明が、さらに退任を早めることになるのだろうか。※週刊ポスト2022年4月22日号
2022.04.08 19:00
週刊ポスト
2021年12月、阪神の新入団選手に囲まれる矢野監督(時事通信フォト)
やっと連敗脱出 阪神・矢野燿大監督が自信喪失状態でも「やってはいけない打順変更」
 まだまだ光明の見えない阪神タイガース。4月5日には10試合目にしてようやく今季初勝利をあげたが、チームの課題は山積している。開幕7連敗以上の球団の最高順位は広島(1954年)とロッテ(2002年)の4位。阪神は早くも“V確率0%”どころか、“CS出場確率0%”の状態ということになる。阪神・矢野燿大監督の責任を問う声が聞こえてくる一方、一部の阪神OBからは「覚悟を決めて戦ってほしい」という叱咤激励の声も──。 今季の阪神の課題は明白だ。ヤクルトとの開幕戦で5回まで8対1とリードしながら、6回、7回、8回と相手に得点を許したうえに、9回に3点を失って8対10と大逆転負けを喫したことが象徴的だが、昨季までの守護神・スアレスの穴が埋められていない。4月5日の初勝利も、先発・西勇輝が9回まで完封し、リリーフ陣の力を必要とすることはなかった。 それだけに、まだまだファンの不安は拭えない状況は続くが、そうしたなかで矢野監督に奮起を促す声がある。1960年代の阪神で捕手として活躍し、大洋、阪神、横浜のコーチを歴任した“ダンプ”こと辻恭彦氏は自身の現役時代を振り返りながら、こう話した。「ボクも1968年に藤本(定義)監督のもとで開幕5連敗の経験があります。ただ、あの時は村山(実)さん、バッキー、江夏(豊)が先発した試合を含めての5連敗で、そんな深刻にとらえてはいなかった。この投手陣ならいつか勝つだろうという気持ちでいたので、自然とチームは白星を重ねていった。後半は江夏が頑張って、終わってみれば2位でした。 矢野監督もナインを信じていつも通りにやればいいと思いますよ。昔の阪神もよく負けていたが、力がなくて負けるというよりは、ゲームとして負けている感じでした。勝つ時はピッチャーがピシッと抑えて勝っていた。スアレスの穴は大きいが、昨年2位のチームだからね。自信をもってやることじゃないですか」 ヤクルト、巨人、阪神で4番を打った広澤克実氏も「開幕戦であんな負け方をしたので歯車が狂っただけでしょう」と前向きな言葉を口にする。「野球は打つ、投げる、走るといった目に見えることのみならず、流れ、勢い、リズム、運といった目に見えない部分が勝敗に影響する度合いが大きいんです。ここまでの阪神はその“見えない部分”が悪いですね。野球は7点差をひっくり返されることもある。7連敗、8連敗、9連敗することもある。それが野球の怖さなんです。 矢野監督はこれまで、選手が打てばベンチで“ヤー”とか“オー”とか騒いできたが、今は神妙な顔でゲームを見ている。それでいいと思います。野球の怖さがわかれば、バカみたいな喜び方はできないと思うんです。勝った時も同じように神妙な顔でいい。これが勝負事なんですよ。開幕から連敗して試練を与えられたが、これから何連勝しようが今の気持ちを忘れないことが重要だと思いますね。ひとつのミスが連敗につながり、ひとつの油断が連敗になると思えば、バカ騒ぎできない」 そう話したうえで広澤氏は、この先に矢野監督がやってはいけないこととして、「小手先の打順変更」を挙げる。「矢野監督は、打った打てないで打順をコロコロ変えるようなことはやってはいけません。選手は落ち着きませんから。1番は近本(光司)で、4番は佐藤(輝明)、5番・大山(悠輔)。そう決めたからには、最後までいくくらいのつもりでやる。そのうち誰かがダメならBクラス。そういう覚悟してやるしかない。開幕のつまずきを挽回するのはそれしかない」 矢野監督はこうした期待に応えることができるだろうか。
2022.04.06 16:00
NEWSポストセブン
9連敗を受けた矢野監督の采配は…
今季限りで退任の阪神・矢野燿大監督 開幕9連敗でファンから「途中解任」望む声
「伝統の一戦」で屈辱にまみれた。阪神が4月3日の巨人戦に敗れ、開幕から9連敗。1979年のヤクルトを抜いてセ・リーグのワースト記録を更新した。借金9も矢野政権でワーストと、光が見えない状況が続いている。 2020、2021年と2年連続2位と頂点にあと一歩届かず、今季への期待が高まっていた阪神ファンの怒りも頂点に達している。矢野燿大監督は春季キャンプ前日に今季限りでの退任を表明しているが、ネット上では〈好きな選手を使い続ける矢野采配では無理。今からでも監督を代えてほしい〉〈個々の選手が頑張っているが、監督の采配が酷すぎる。途中解任すべきでは〉など辛らつな声が増えている。 3月25日のヤクルトとの開幕戦で8-1の7点リードから大逆転負けを喫した試合が象徴的だった。先発の藤浪晋太郎は7回まで3失点の粘投で役割を果たしたが、8回以降に救援陣が炎上。1点リードの9回に登板した新守護神・ケラーが2発を浴びて3失点と打ち込まれた。ケラーは3月29日の広島戦でも1点リードの9回を抑えきれず途中交代し、サヨナラ逆転負け。早くも守護神の座を剥奪された。 スポーツ紙デスクは「完全に負のスパイラルに入っている」と分析する。「元々、投手力で勝ってきたチームで打線に大量得点は期待できない。そのため先発陣も窮屈な投球になり、1点を失うのを嫌がるあまりピンチを広げ、大量失点を招いてしまう。岩崎優が本来の調子でないなど、リードしている展開でも力のある救援陣がいないため守り切れません。打線は個々の数字を見ると決して悪くないが、迫力に欠ける。9連敗を喫した4月3日の巨人戦は6番・糸原健斗、7番・木浪聖也という並びでしたが、ともに長打がないので相手バッテリーは対処しやすい。 今季はセ最小失策数ですが守備にミスが多いのは長年の課題で、本気で強化するつもりがあるのか疑問が残る。春季キャンプから佐藤輝明を三塁、右翼の掛け持ちで練習させて、大山悠輔も一塁、三塁、左翼の3ポジションを守らせていた。打線で主軸を担う2人は固定するべきですよ。1つのポジションでみっちり練習しなかったら必ずほころびが出る」 連敗はいつかは止まるにせよ、得点力に乏しい打線では、大型連勝で巻き返せるほどの爆発力は期待できまい。前出のスポーツ紙デスクは「フロントの補強戦略」にも疑問が残るという。「主砲のサンズが昨季限りで退団したにもかかわらず、主軸を担う新外国人を補強しなかった。昨季不振だったロハス・ジュニアが日本野球に慣れて対応できると踏んだのかもしれませんが、想定が甘すぎるのではないか。実際、ロハスは開幕から結果を残せずスタメン落ちしている。ケラーも正直1軍で使えるレベルの投手ではない。新外国人は使ってみなければ分からないと言いますが、昨季までの絶対的守護神・スアレスの穴が大きすぎることを痛感させられますね」 開幕から10試合に到達していないにもかかわらず、「暗黒時代」に逆戻りしたかのような戦いぶりが続く。矢野監督は再びチームを立て直せるか。
2022.04.05 16:00
NEWSポストセブン
矢野燿大監督(中央左)は最終年で有終の美を飾れるか(時事通信フォト)
阪神17年ぶりVに黄信号データ?「僅差でV逸の翌年」に低迷する背景
 昨年、前半戦に首位を独走しながら、ヤクルトに逆転優勝を許してしまった阪神タイガース。2リーグ制に移行して以来、阪神が2ゲーム差以内で優勝を逃したケースは8年ある(全て2位)。■阪神が2ゲーム差以内で優勝を逃した年の成績1957年(藤村富美男監督)130試合73勝54敗3分 勝率.573 ゲーム差1.01970年(村山実監督)130試合77勝49敗4分 勝率.611 ゲーム差2.01973年(金田正泰監督)130試合64勝59敗7分 勝率.520 ゲーム差0.51976年(吉田義男監督)130試合72勝45敗13分 勝率.615 ゲーム差2.01992年(中村勝広監督)132試合67勝63敗2分 勝率.515 ゲーム差2.02008年(岡田彰布監督)144試合82勝59敗3分 勝率.582 ゲーム差2.02010年(真弓明信監督)144試合78勝63敗3分 勝率.553 ゲーム差1.02021年(矢野燿大監督)143試合77勝56敗10分 勝率.579 ゲーム差0.0 悔しさをバネに翌年優勝を勝ち取ったのかと思いきや、昨年を除いた7年のうち6年がBクラスに転落している。■阪神、上記の翌年の成績1958年(田中義雄監督)2位 130試合72勝58敗0分 勝率.554 ゲーム差5.51971年(村山実監督)5位 130試合57勝64敗9分 勝率.471 ゲーム差12.51974年(金田正泰監督)4位 130試合57勝64敗9分 勝率.471 ゲーム差14.01977年(吉田義男監督)4位 130試合55勝63敗12分 勝率.466 ゲーム差21.01993年(中村勝広監督)4位 132試合63勝67敗2 分 勝率.485 ゲーム差17.02009年(真弓明信監督)4位 144試合67勝73敗4分 勝率.479 ゲーム差24.52011年(真弓明信監督)4位 144試合68勝70敗6分 勝率.493 ゲーム差9.0 このうち金田、吉田、真弓の3監督がオフに退任。あと一歩で優勝まで近付いた翌年は優勝争いにすら絡めない年ばかりなのだ。一方、ライバルの巨人は2リーグ制以降、2ゲーム差以内で優勝を逃したケースは6年ある(2010年は3位。それ以外は2位)。■巨人が2ゲーム差以内で優勝を逃した年の成績1974年(川上哲治監督)130試合71勝50敗9分 勝率.587 ゲーム差0.01982年(藤田元司監督)130試合66勝50敗14分 勝率.569 ゲーム差0.51986年(王貞治監督)130試合75勝48敗7分 勝率.610 ゲーム差0.01992年(藤田元司監督)130試合67勝63敗0分 勝率.515 ゲーム差2.02010年(原辰徳監督)144試合79勝64敗1分 勝率.552 ゲーム差1.02015年(原辰徳監督)143試合75勝67敗1分 勝率.528 ゲーム差1.5 その翌年の成績はこのようになる。■巨人、上記の翌年の成績1975年(長嶋茂雄監督)6位 130試合47勝76敗7分 勝率.382 ゲーム差27.01983年(藤田元司監督)優勝 130試合72勝50敗8分 勝率.590 ──1987年(王貞治監督)優勝 130試合76勝43敗11分 勝率.639 ──1993年(長嶋茂雄監督)3位 131試合64勝66敗1分 勝率.492 ゲーム差16.02011年(原辰徳監督)3位144試合71勝62敗11分 勝率.534 ゲーム差3.52016年(高橋由伸監督)2位 143試合71勝69敗3分 勝率.507 ゲーム差17.5昨季同様、若い戦力が活躍できるか 阪神は競り負けた翌年にほとんどBクラスに転落しているが、巨人は1年を除いてAクラスを保ち、2年は優勝している。一体、この差は何か。プロ野球担当記者が話す。「巨人は優勝を至上命題とされ、ペナントを制しなければ叩かれる。しかし、阪神の場合、優勝回数も少なく、2位で終わると『健闘した』と称えられがち。例えば、1992年は大方の評論家が最下位予想する中で、亀山努や新庄剛志の台頭、仲田幸司や湯舟敏郎など若手投手陣の開花で大躍進をした。 阪神は負けが込めば叩かれるが、少しでも活躍すればすぐにヒーロー扱いされる。マスコミやファンの扱いが他球団と違って特異です。そうした面も影響しているのではないでしょうか。1986年の巨人は勝利数で上回りながらも広島に勝率で劣って2位だった。すると、3年連続V逸の責任を感じた王監督が進退伺を提出しています。それほど優勝に対する思いが球団もファンも異なる印象です」(以下同) 阪神は1987年から2002年までの16年で、Bクラスが15年もあった。唯一、1992年だけは光明が差した。活躍した選手が若く、暗黒期を脱するかと思われたが、翌年から再びBクラスに転落した。「打線強化のため、24歳の本格派右腕・野田浩司を放出して、オリックスから32歳で実績のあるスイッチヒッターの松永浩美を獲得したトレードが失敗と言われています。松永が故障で3度も戦列を離れ、期待外れだったのもあるでしょうけど、前年14勝の仲田幸司が3勝に終わり、期待された嶋尾康史が故障するなど野田の穴を埋めきれなかったことも大きかった。オフに松永がFA(フリーエージェント)でダイエーに去ったことで、失敗トレードのイメージが増幅したのもあるでしょうね」 昨年の阪神の躍進はルーキーの伊藤将司、中野拓夢、佐藤輝明による若い力も大きかった。その点では、1992年と似ている面もある。今年は矢野燿大監督がキャンプイン前日に今季限りの退任を発表。ラストイヤーを優勝で飾りたいところだろう。「2年目になる3人が昨年と同じような成績を残せれば大崩れはしないでしょう。逆に言えば、若手にかかる比重が大きい分、伸び悩んだ時にはチームも低迷する。最近は“2年目のジンクス”もなくなりつつありますし、矢野監督の采配次第では17年ぶりのVも十分目指せると思います」 矢野監督の胴上げで有終の美を飾れるか。
2022.03.10 07:00
NEWSポストセブン
阪神OBが今年と過去のV逸した年を比較(写真/共同通信社)
早くも盛り上がる阪神・矢野監督の後任予想 番記者たちの本命候補は
 春季キャンプが始まり、連日「ビッグボス」こと日本ハム・新庄剛志監督が球界の話題を独占する一方で、球界関係者から注目が集まっているのが阪神だ。矢野燿大監督がキャンプイン前日の全体ミーティングで、「今季限りで退団」の意向を表明するというまさかの行動に出たからだ。スポーツ紙デスクが言う。「選手たちは驚いていたそうです。翌日から春季キャンプが始まるというタイミングで監督が“今季限りで辞める”と言うなんて想像できませんからね。矢野監督からすればシーズン中に自身の去就が報じられることで選手に迷惑をかけたくないという思いがあったかもしれません。ただ異例の退任発表で、春季キャンプの内容より次期監督の予想で盛り上がってしまっている。良かったのか悪かったのかわかりませんね……」 阪神は岡田彰布政権でリーグ優勝を飾った2005年から16年栄冠から遠ざかっている。矢野監督は2019年から就任以降3年連続Aクラスで、2020年から2年連続2位とあと一歩届かない。退路を断った今年は17年ぶりのリーグ優勝を目指すが、キー局野球中継担当者は「選手の気持ちがついていくのか」と懸念を口にする。「矢野監督も最後の1年だから自分のやりたいようにやるでしょう。昨季終盤に正捕手の梅野隆太郎がベンチを温める状況が続きました。梅野はFA権の行使で他球団移籍も視野に入れて悩んだ末に残留しましたが、今年も坂本誠志郎を中心に据える可能性がある。坂本は確かに良い捕手ですが、扇の要は梅野ですよ。冷遇されるようだとモチベーションにも影響してくる」 阪神ファンは矢野監督の「後継者」に早くも関心を寄せている。平田勝2軍監督の内部昇格、功労者でもあるOBの野球評論家・藤川球児氏、鳥谷敬氏らの名前が挙がるが、スポーツ紙記者は否定的な見方をする。「藤川氏、鳥谷氏はコーチ経験がないのにいきなり監督をやらせるのはリスクが大きい。藤川氏は卓越した野球理論で解説者として評価が高いが、コーチとして選手に指導する経験はまた別物です。コーチとしてユニフォームを着て現場を経験することで得られることがたくさんある。監督に就任するのはその後でも遅くないでしょう」 そこで、番記者界隈で有力候補して挙げられているのが、野球評論家の今岡真訪(現役時の登録名は今岡誠)氏だ。1996年ドラフト1位で入団し、2009年まで阪神の主軸として貢献。2003年には首位打者、2005年にはNPB歴代3位のシーズン147打点を記録して優勝に貢献した。現役引退後には阪神のファームでコーチを務め、昨季まで同学年のロッテ・井口資仁監督の下で2軍監督、1軍ヘッドコーチとして経験を積んでいる。「他球団で指導者の経験をしているのも好材料です。外から見た阪神の強み、弱点を把握している。雄弁に話すタイプではないですが、的確なアドバイスで選手たちの人望が厚い。喜怒哀楽を前面に出す矢野監督と違って、今岡氏はポーカーフェイスのイメージがありますが芯は強い。野村克也監督と反りが合わず、冷遇されたこともありましたが、自分の信念を貫きましたからね。ほかにも“好き勝手に打っている”と揶揄されたこともありますが、今岡ほど状況判断に優れた打撃をしていた選手はなかなかいません。野球偏差値が高いので監督になってどういう野球をするか興味深いです」(同前) 昨季はまさかの大失速で優勝を逃した矢野阪神。この時期から次の監督の名前が取り沙汰されるのは予想していなかったかもしれないが、まずは今シーズンを戦い抜き、有終の美を飾れるか。 
2022.02.09 16:00
NEWSポストセブン
矢野監督続投で阪神に不穏な空気 内規違反不問に選手は不満
矢野監督続投で阪神に不穏な空気 内規違反不問に選手は不満
 2020年、世界中を襲ったコロナ禍はプロ野球界も直撃。各球団とも過去に例のない減収・減益となり、そのしわ寄せは選手たちにいきそうだ。巨人、ソフトバンクと観客動員数でトップを争う阪神も極めて厳しい状況にある。 藤川球児(40=年俸2億円)が8月末に今季限りでの引退を発表。その後、福留孝介(43=同1億3000万円)、能見篤史(41=同9500万円)、上本博紀(34=同4800万円)といったベテランが、20試合を残した段階で戦力外通告を受けた。“バースの再来”と鳴り物入りで入団したジャスティン・ボーア(32=同2億7500万円)も、2割4分台、17本塁打(11月2日現在、以下同)の微妙な成績で、今季限りとの見方が強い。阪神の元球団社長・野崎勝義氏が言う。「近年のプロ野球はメジャーに倣ってポイント制査定を導入しているが、一方で古くからの年功序列制度も残っている。そのためベテラン選手は総じてコストパフォーマンスが悪いのですが、長年の貢献があるためなかなか切りにくい。大ナタを振るうのは、それだけコロナによる減収で球団経営が苦しいからでしょう。私が球団にいた時代なら、これほどのリストラを行なう時は監督交代もセットだったものですが……」 チームを支えてきたベテランがチームを去る一方、矢野燿大監督(51)は来季も続投。それがチームに不穏な空気をもたらしているという。「順位で2位に着けているとはいえ、独走する巨人に一度も意地を見せることはなかった。そのうえ、矢野監督は内規で定められた『4人以内』を大幅に上回る人数の選手やスタッフらと会食していたことも判明。それでも不問に付されているわけですから、納得していない選手は多い」(阪神番記者) 一方、“監督離脱”がネックになりそうなのが横浜DeNAだ。「成績不振の責任を取ったラミレス監督(46)の後釜は、ハマの番長こと三浦大輔・二軍監督(46)が既定路線です。しかし、そこにチーム打率リーグ1位の打線を支えたロペス(36=年俸2億3000万円)、オースティン(29=同1億円)、ソト(31=同1億8500万円)の3外国人選手の契約問題が絡んでくる。 いずれも今季で契約満了となります。とくにソト、オースティンはメジャーや巨人、ソフトバンク、楽天なども注目しているようで、つなぎ止めるには相当のカネがかかる。 DeNAは観客動員減で大幅な収入減が見込まれる上、親会社は2020年3月期決算で約500億円の赤字を出している。はたして彼らの満足いく金額を提示できるのか。球団関係者の間では、これまで3人がコミュニケーションを密に取ってきたラミレス監督がいなくなったことも、流出を後押ししてしまうのではないかと言われています」(DeNA番記者)※週刊ポスト2020年11月20日号
2020.11.12 07:00
週刊ポスト
サンズの活躍が阪神上位進出のカギか(時事通信フォト)
阪神ボーアは5番で復調 サンズには何番を打たせるべきか?
 プロ野球の開幕から1か月弱が経過し、新外国人に明暗が分かれ始めている。セ・リーグ最下位に沈んでいる阪神では、“バースの再来”と期待されたボーアの打棒に開幕前から注目が集まっていた。 ボーアは開幕からスタメン4番で18打席連続ノーヒットと不調に喘いだものの、打順が降格して以降、調子を取り戻した。最近11試合連続(記録は7月12日現在。以下同)は5番を打ち、その間3割7分8厘、4本塁打、11打点と急上昇。7月5日の広島戦では勝ち越しの満塁本塁打を放った。一方、もう1人の新外国人打者サンズはスタメン10試合全て6番で、1割8分8厘と苦しんでいる。野球担当記者が話す。「あのバースは来日1年目の1983年、故障で開幕に間に合わず、最初は代打で起用されていた。スタメンになってからも、当初は7番を打っていた。“巨人史上最強の助っ人”と言われるクロマティでさえ、開幕直後は6番を打ち、5月には7番に下がっていた。日本で2000本安打を達成したラミレス(現・DeNA監督)もヤクルトに入団した2001年は主に7番を打っていた。 日本球界に名を残す外国人選手も、必ずしも最初から順応していたわけではありません。特に巨人や阪神のような球団だと、打てなければマスコミに大きく取り上げられる。新外国人には最初から期待しすぎるのではなく、まずは気楽な下位打線で日本野球に慣れさせてから打順を上げる方が得策なのかもしれません」(以下同) 阪神でも、2010年にはマートンが1番や3番を任されてシーズン最多記録の214安打(当時)を打ったり、2014年にはゴメスが来日1年目の開幕戦から4番を打ち続け、打点王を獲得したりするケースもあった。それでも、他の年の新外国人を考えれば、稀有な例と見る方が無難だ。「今の阪神には他に中軸を任せられる選手が少なく、新外国人に打ってもらわなければ困るというチーム事情がある。1シーズンを考えれば、サンズの打棒が爆発しないと上位進出は望めない。日本の攻め方に慣れれば、打ち始めるかもしれない。だからこそ、思い切って7番、8番という気楽な打順に置く手も必要かもしれません。韓国時代も三振が多い選手でしたが、現在35打席で10三振。8番に置かれれば、9番は投手なので『まともに自分と勝負してこない』と考え、ボールを見極めるようになるという効用があるんです」 1995年、ヤクルトのミューレンがその例だという。“恐怖の8番打者”と呼ばれ、日本一に貢献した外国人選手である。前年、ロッテのクリーンアップの一員として期待され、オープン戦15試合で5本塁打を放ち、開幕4番でスタートした。だが、日本の投手に苦戦し、4月下旬には6番、ゴールデンウイークが終わると7番にまで打順が下がった。 夏場、調子を上げてきたミューレンは8月になると4番に復帰。シーズンを通して、打率2割4分8厘、23本塁打、69打点を残したが、外国人を3人しか1軍登録できず、野手、投手に3人ずつの配置を禁じられていた当時、合格点とは言えず、自由契約となった。それを拾ったのが、野村克也監督のヤクルトだった。「1995年のヤクルトは古田敦也、オマリーはクリーンアップ当確としても、もう1人はミューレンが打ってもおかしくなかった。この年のヤクルト打線は池山隆寛に陰りが見え始め、層は厚くなかったですからね。野村監督は開幕当初はミューレンを6番に置いたが、そのうち7番に下げ、8月中旬以降はほとんど8番で固定した。下位になったことで、ミューレンの考え方が変わったんです。 8番、9番の打力は弱いので、相手は『四球でもいい』とボール球で釣ってくる。それまでのミューレンは外角の変化球に手を出して空振りしていましたが、見極められるようになった。前年よりも選球眼が良くなり、四球が前年の36(敬遠1)から60(敬遠4)と増えた。『まともに勝負してこない』と意識を変えただけで、調子が上向いた。結果的に、2割4分4厘、29本塁打、80打点を上げました。 もしクリーンアップを打っていたら、マークが厳しくなるし、打たなければならないという重圧から外角の変化球を追いかける癖は治らず、数字は伸びなかったでしょう。野村監督は1993年も、外国人のハドラーに主に8番を打たせ、3割をマークさせています」 ミューレンは中軸なら打率の低さを指摘されるが、主に7番、8番で29本、80打点なら文句なしの成績。この2部門では、古田や池山を上回り、オマリーに次いでチーム2位。同年巨人の4番だった落合博満よりも上で、松井秀喜と打点は同じ、ホームランは7本も多かった。また、打順別のホームラン数を見ると、5番・2本、6番・9本、7番・8本、8番・10本と“恐怖の8番打者”にふさわしい数字が残っている。 監督の起用法次第で、潜在能力の高い外国人選手は生き返ることもある。野村監督の教え子である矢野燿大監督は、チームの鍵を握るサンズをどう扱っていくか。
2020.07.14 07:00
NEWSポストセブン

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