日本出身、モンゴル出身の横綱がいることでメニューの選択肢に幅が
弁当が発売されなかった大関も
土俵では優勝争いから脱落した大関・琴櫻の弁当もあるが、「力士弁当の場合、ファンだから買うというのではなく、やはり中身ですかね」(売店販売員)ということで売店では琴櫻も健闘しているという。それでも、優勝争いを展開する大の里と豊昇龍が一歩リードする。
「いまはモンゴル出身の横綱と日本出身の横綱・大関ということで、メニューの選択肢に幅が出てバランスが取れているが、かつて白鵬、日馬富士、鶴竜の3横綱と大関に照ノ富士がいた時代は、かなり中身が洋食に偏って苦戦した時代もあった」(協会関係者)
当時、『白鵬弁当』はメインのおかずが鶏の竜田揚げ・油淋鶏ソースと揚げ餃子、『日馬富士弁当』は牛焼肉と唐揚げ、『鶴竜弁当』はロースとんかつと牛サイコロステーキ、『照ノ富士弁当』は厚切り牛タンと春巻といった具合だった。
稀勢の里、豪栄道、高安、琴奬菊が大関で活躍し、7種類の力士弁当が発売されていた時代もあったが、逆に大関に昇進しながら力士弁当として国技館に登場しなかったケースもある。前出・協会関係者が言う。
「新型コロナウイルス禍で2020年から2年半は力士弁当の販売を中止した。その間に待望の日本出身大関として正代と御嶽海が誕生したが、ともに大関在位が短かったこともあって弁当が売られることはなかった」
今場所は若隆景が大関獲りに失敗したが、売店でも新たな大関や横綱の誕生が待ち望まれているのだ。