ゲリラ豪雨で冠水したことで被害が拡大(写真提供/イメージマート)
実際、工事業者関係者に話を聞くと、今年の夏特に多かったと感じるのはエアコン、さらにいうと「室外機」の故障だったという証言が相次ぐ。首都圏が営業エリアだというエアコン取付業者も、今年の夏、特に暑さに起因するとみられる室外機の故障が多かったことを認める。
「暑い日に、直射日光の下で長時間運転しっぱなしにするなどして、室外機に過度に負担がかかり故障、という例が多かったように感じます。近年は、猛暑のためエアコンをつけっぱなしにする機会も多い。メンテナンスをしていないところに、強烈な直射日光の熱ですから、当然不調が出ます」(エアコン取付業者)
「浄化槽」ポンプの故障あいつぐ
また、同じ住宅関連では、地方都市や新興住宅地に多い「浄化槽」を巡っても、似たようなトラブルが発生している。
「一週間は本当に地獄でした。ちょうど従兄弟夫婦が子連れで遊びにきていて、庭でバーベキューをして、プール遊びなんかするつもりで。準備していたものも全部台無しです」
中部地方在住の会社員宅は、下水道ではなく「浄化槽」を利用するエリアに位置する。今も下水管の行き届いていない、急造の開発宅地などでよく利用されている浄化槽。家庭排水は一旦、家ごとに設置された浄化槽の中で微生物によって分解され、綺麗な水のみが河川に排出される仕組みで、汲み取りなどの定期的なメンテナンスが義務付けられている。
欠かせないのが、微生物を生かしておくため、浄化槽内に空気を送り込むブロワーと呼ばれるポンプを常時稼働させておくことなのだが、このポンプが暑さで故障し、さらに大雨も影響したことで男性は悲惨な目にあっていたのだ。
「数軒先のお宅のポンプが故障したらしくてね、その後大雨が降って、周辺がドブくさいというか、あたりが汚い公衆トイレみたいな悪臭ですよ。夜、少し涼しくなって窓を開けてもにおうから開けられないし、庭にも出られない、洗濯物も干せない状態でした。家主が老人ホームに入ったきり半年以上不在で、たまに掃除に来る親族の連絡先もよくわからないし、勝手に修理もできないから本当に参りました」(会社員)