リチウムイオン電池を使用した機器類の高温トラブルも増(写真提供/イメージマート)
実は男性宅の周辺数軒は、すでに暑さが増していた7月の頭ごろから微かな異臭に気がついていたが、間も無くゲリラ豪雨にも見舞われ水没したことで、異臭は明らかな悪臭に変わった。周辺で広く騒ぎになり、誰かが警察や市役所に通報。自治会などが動いて1週間ほどでその状態は改善されたという。そして、造成後10年ちょっとだという付近の住宅でも、今年の夏、ポンプの故障が相次いでいたことも騒動を通じて判明した。
「壊れたお宅はいずれもポンプが直射日光に長時間、当たっていました。どのお宅もすぐ異変に気がついて、修理交換していたのでトラブルにはならなかった。問題のお宅では、まずブロワーが暑さで壊れ、そこに大雨まで降って、メンテナンスのされていない浄化槽に雨水が逆流したようです。それが悪臭の原因だったと。ポンプに日除けをするなどして対策を取るよう、自治会から連絡もありました」(会社員)
パンク、ドラレコ故障、スマホトラブルなど
暑い夏の「直射日光」が原因で、エアコンや浄化槽などの住宅設備の不具合が増加しているというなら、直射日光を受けやすい車関連のトラブルも増加したのではないか。そういった視点からSNSを改めてみると、暑さが原因でオーバーヒートしたり、バッテリーが上がってしまったり、路面温度の上昇か原因でパンクしたり、さらにはドラレコが故障した、などという報告も相次ぐ。今後、車の日光対策はこれまで以上に必須のものになるだろう。
また筆者の場合、かなり奮発して購入した高級スニーカー(約5万円)を洗い、直射日光下に丸2日間起きっぱなしにしていたところ、ソールが湾曲してしまい、履けなくなってしまった。また、スマホの充電池が膨張して修理する羽目になったが、修理に持ち込んだ修理業者もやはり「暑さでスマホトラブルが急増している」と慌ただしく答えた。リチウムイオン電池を使ったミニ扇風機や充電器などの発火、発煙も相次いだが、高温の室内や車内に置きっぱなしにするなどするのも危険だ。
多くの家電の推奨使用周囲温度は、高くても35度くらいまでの想定が多い。40度まで、と表記があっても、長時間40度は推奨しないとされている。これまで、日本では故障するのが当たり前だと思って家電などの機械類を使うことはほとんどなかっただろう。それも今後は、常に備えるのが普通になってしまうのかもしれない。