本誌記者の直撃に答える田中甲・市川市長
政治団体の会計責任者の名義借りについては、「名前だけかもしれない。私の元秘書です。ですから、会計責任者を君に任せたいということを連絡取りました」と説明する。
だが、B氏が20年以上田中氏と連絡を取っていないと証言していることをぶつけると、こう話した。
「Bさんが? 連絡を取っていますよ。私は」
当事者たちの証言と食い違う説明なのだ。
改めて市川市役所に田中氏宛の質問状を送ると、メールでこう回答した。
「私はA子氏(回答書では実名、以下同)とは本日に至るまで面識もなく、同氏の連絡先も本名も承知しておりません。当然、私が費用を出した事実も、A子氏の選挙運動収支報告書を作成した事実もありません。また、A子氏の選挙活動の有無や事務所所在地などについても全く不知であります。したがって、ご指摘のような法令違反の事実は全くありません。このような事情から『2馬力選挙』とのご指摘も失当です。(政治団体の会計責任者については)B氏からは事務担当者が記入作業を行ったものについてB氏の印章で押印して良いと確認を経ております。したがって、会計責任者の名義貸しとの指摘はあたらず、政治資金規正法の虚偽記載とのご指摘も失当です」
田中氏は3年前の市長選ポスターの写真の下に自筆署名入りでこう書いていた。
〈お約束 悪いことはしません 田中甲〉
市議会での真相解明が待たれる。
(前編から読む)
※週刊ポスト2025年10月10日号