ロゴがあった当時(協会のSNSより)
ただ、取材を重ねると、橋爪氏は周辺に「藤田会長とは見解が違った」とも語っていた。協会関係者が言う。
「橋爪氏は『ポーラさんが協賛を降りるのはハラスメントがあったことの問題より、すぐに事実関係を伝えてくれなかったことへの不信感からではないか』という考えを会長に伝えたそうです。ところが、会長の答えは違ったと言っていました」
協会は藤田会長と橋爪氏の意見の相違について事実関係を否定したが、ポーラの解約について問うても「お答えを控えさせていただきます」とするのみ。
ことの真相も、村田氏の責任も不問のまま、次期代表のトライアウトが行われる。選手の不安を払拭できないままでは、裾野は狭まるばかりだ。
後編記事《【ハラスメント問題の新体操日本代表】オフィシャルスポンサー契約を解除したポーラのメッセージ「約18年、同じ夢を応援して参りました」「選手一人ひとりへの尊敬と応援の気持ちは変わらない」》では、新体操日本代表のオフィシャルスポンサーの契約を解除したポーラの回答全文を紹介している。
(後編につづく)
取材・文/広野真嗣(ノンフィクション作家)
※週刊ポスト2025年10月10日号