指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)

「変わった子」という印象もあったという

「アプリで女性と……」容疑者がみせた“不可解行動”

「入社した頃は『彼女はいない』と言っていたんですが、ちょっと働き始めると彼女ができたみたいでした。いわゆるマッチングアプリで知り合ったみたい。イメージにないかもしれませんが、『変な遊びとかではなく、真剣に恋愛したい』『こういうので(アプリなど)知り合って、将来は結婚もしたい』とわりと真面目なことを言っていて、今の子にしては珍しいなと思ったのを覚えています。だから、恋愛とか女性は好きだったんじゃないかな」

 彼女ができると、八田容疑者は突拍子もない“不可解な行動”を社長にみせたという。

「入社して1〜2か月経ったくらいかな、事務所に彼女を連れてきたんですね。来たといっても、車でパッと来て、彼女に施設を見せたくらいなんだけど。見たらわかるとおり、ここって特に何もないんだけど、オフの日にわざわざ2人で来て……。居酒屋とかならともかく、普通あんまりこんなバイト先に彼女を紹介しにきたりしませんよね。『変わった子だな』と思いました」

 こうして2020年末まで、2年間ほど働いた容疑者。この社長の話を聞いているかぎり、充実した生活を送っていたようにも受け取れるが、ある日突然、音信不通になってしまったという。

「うちってラフティングが7〜9月、スノボは1〜3月がシーズンなんです。通年、給料は出ますが、実質忙しいのは約6か月。彼は2シーズンほど働いていたわけですが、次の冬の繁忙期が来る前にバックレた。連絡が取れなくなって、電話しても繋がらなくなりました。大分に行ったのはそのすぐ後だと思います。

 少し時間が経って、あちらから『未払いの給料を払ってくれ』と一言だけきまして、その時のLINEのやりとりが最後です。働いていた分はもちろんキチンと支払いましたけど、『わざわざ忙しくなりそうな時期を見計らったように飛ぶなんて、こんな辞め方はないよ』と少しだけ注意しました。辞めた理由は、結局誰もわかりませんでした。突然、辞めたくなっただけなんじゃないかな。

 うちもネットとかに一部、社名がでてしまって本当に迷惑したんですよ。一度ネットに出ちゃうとなかなか消せないし。本当のことを言えば関わりたくないし、名前を聞くのも嫌なくらい。早く出てきて罪を償ってほしい」

 徐々に明らかになる八田容疑者の人間性。それらは必ずしも、殺人の動機に直接結びつくものではない。しかし2年間をともにした社長の話からは、男に「衝動的な一面」があったことが垣間見える。

 100キロを超える猛スピードで、面識のない大学生を轢いたことも、こうした“突発性”や“衝動性”によるものだったのか──。

 NEWSポストセブンは社長の取材後も、ゆかりの地である鬼怒川を徹底取材。そこで、新たな“足跡”を掴んだのだ──。

(第3回へ続く)

情報提供募集

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