八田容疑者の過去のバイト先社長が初めて取材に応じた(SNSより)
ひき逃げ犯としては初の「重要指名手配犯」に指定されている八田與一容疑者(29)。ことし6月、容疑に殺人罪と殺人未遂罪が追加されたことを受けて、NEWSポストセブンは関係者への取材を継続的に行なっていた。
「普通といえば普通。すごく真面目に働いていたかというとそうではないけど、今どきの若者としては許容範囲くらい。ところがシーズンオフのときに突然、理由もわからずにバックレてしまったんです」
そう語るのは栃木県・鬼怒川でツアー会社を経営する男性だ。聞けば、事件を起こす前に八田容疑者を雇っていた時期があるという。
この男性は八田容疑者について「むしろ大人しい男」「特別いい人とか悪い人とかの印象がない」と話す。しかし入社から半年も経たずしてあるとき、“奇行”をみせたというのだ──。【全3回の2回目】
すでに報じているとおり、八田容疑者は石川県生まれ。父親を早くにがんで亡くし、少年時代の長い期間を母方の実家である千葉県で過ごした。関東の大学を卒業後、2021年に、事件を起こした大分県に移住しているが、それまではアルバイト生活を送っていたようだ。キー局の報道番組関係者が言う。
「八田容疑者は東北や関東、さらに沖縄県などの地方を転々とし、主にリゾートバイトで生計を立てていたことがわかっています。単身で住み込みの仕事をしながら、短期間でさまざまな職種をわたり歩いていた」
そんな容疑者が、母親のいる大分県に移住する直前にしていたのが冒頭のツアーの仕事だった。募集サイトから同社に応募した八田は、面接で「大学でいろいろうまくいかなくて」などと話したという。会社の代表は当時の様子をこう語った。